(共同声明)子どものために 一切の武力の停止を

子どもの願い

 おとなの人にお願いがあります。子どものために世界中のぼうりょくを今すぐやめてください。ぼくたちわたしたちの「いつも」を返してください。
 2月24日の夕飯はいつもとちがいました。お母さんは笑わないし、「今日は学校どうだった?」と聞いてくれませんでした。お父さんが帰ってきてから、二人でむずかしい顔で話をしていました。
 テレビでは、こわれた建物やにげている人の動画がいっぱい流れています。お母さんに「こわいよ」って言ったら、「遠い国のことだから日本はだいじょうぶ」って言ってたけど、すごく心配です。
 友だちが学校で「プーチンプーチンプッチンプリン」と言ってたときはおもしろかったけど、戦争の話はやっぱりイヤです。
 ロシアやウクライナの子は、お父さんがたたかいに行っちゃってかわいそうです。ウクライナの子はおうちも学校もなくなっちゃって、友だちとも遊べなくて、もっとかわいそうです。ケガをしたり、殺されちゃった子どももいるって聞きました。何もしてないのに、そんなのひどいです。ほかの国にもかわいそうな子どもがいるって知りました。
 世界中の子どもが、おうちで、家族みんなで楽しくごはんを食べられるように、友だちと遊んで勉強できるように、こわい思いや心配をしなくていいように、たたかいをやめてください。子どもからのお願いです。

暴力を見せることも暴力

 暴力をふるう姿を子どもに見せることは、心を傷つける暴力です。保護者がそのような姿を子どもに見せれば「面前DV」という虐待になります。ロシア政府はウクライナへの武力侵攻により、ウクライナだけでなく世界中の子どもたちを傷つけました。
 暴力を見せる「暴力」ではメディアも一緒です。ショッキングな映像を、子どもが見る可能性のある朝や夕方の時間帯に流し続けています。真実を伝えることと生々しい映像を放送することはイコールではないはずです。

子どもの最善の利益を

 冒頭の「子どもの願い」は、私たちの身近にいる子ども本人やその保護者から聞いた実際の声をまとめたものです。ふだんどおりに見えたとしても、子どもたちは戦争のことで心を痛めています。感受性の強い若い心にとって戦争の恐怖は我が事です。
 子どもたちが再び安心してくらせるようにするために、私たちは、あらゆる兵器の使用、一切の武力の行使を直ちに停止し、平和的に解決する道を探ることを強く求めます。
 互いに銃口を突きつけ合うことが平和につながるなどということは、胸をはって子どもに説明できることではありません。兵器や武力は、たくさんの人の命を脅かすだけでなく、子どもたちに手渡すはずの自然や文化、豊かな未来まで壊してしまいます。
 世界中の子どもたちの現在と未来のためにできる最善のことについて、子どもの声を聞き、一緒に考え、実行することを、すべての大人に向けて訴えます。平和な世界を平和なままに守っていくために、今、自分に何ができるかを、まずは身近な人と話してみてください。

2022年3月18日

群馬子どもの権利委員会
少年少女センター全国ネットワーク
NPO法人東京少年少女センター
本村翔太(少年少女組織を育てるどろんこの会 運営委員)
福岡ひまわり団
少年少女組織を育てる大阪センター
ぐんま少年少女センター
少年少女組織を育てる埼玉北部センター

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