パートナー通信 No.49
市町村との話し合いはじまる
―まずは前橋市と藤岡市から―
および県当局との話し合いをふまえた
市町村との話し合いはじまる
―まずは前橋市と藤岡市から―
報告:大浦暁生・加藤彰男
【前橋市との話し合い】
2月2日(木)に行われ、市側からは福祉部こども課2人、教育委員会義務教育課2人、市民部いきいき生活課2人の各担当者が出席、子どもの権利委員会からは4人が参加しました。 自己紹介のあと、大浦代表がアンケート結果の『要点と意見』および前橋市のアンケート回答にもとづいて話し合いのポイントを出し、意見交換に入りました。重点は子どもの虐待防止といじめへの対策、それに新しい児童文化センターの建設と運営への子どもの関与、の2点でした。
・多面的な虐待防止といじめ対策
虐待といじめには多様な対応がなされています。各学校で子どもに対して「いじめアンケート」が実施される一方、教師は「いじめチェックシート」を作ります。教師は子どもの表情や身体の様子などをたえず注意深く観察して、問題の早期発見に努力しているのです。スクールカウンセラーは県の予算で配置されますが、全校配置とはいかないそうです。
相談窓口として、プラザ相談室では電話やメールも受け付けていますが、来てもらって相談に応じることを基本にしているとのこと。県内全自治体に設けられていると県が言っていた「要保護児童対策地域協議会」については、資料を用意して説明がありました。
・「子ども会議」で要望を聞く
今年の1月にオープンした新しい児童文化センターの建設にあたっては、広報で募集した子どもによる「再整備子ども会議」を4回開いて要望を聞き、プラネタリウムと図書室の改善や「足踏みカート」の存続に反映させたそうです。今後もクラブ活動を充実させ、子どもたちの意見を運営に生かしたいといいます。
4月1日の日曜日、孫といっしょに行ってみましたら、図書館のカウンターには「スタッフ」の腕章をつけた子どもたち3人が、生き生きと仕事をしていました。中学生からスタッフになれるそうです。
【藤岡市との話し合い】
3月15日(木)午後に行われ、市側からは健康福祉部長、健康福祉部こども課2人、福祉課1人、教育委員会学校教育課1人、生涯学習課1人の各担当者が出席、子どもの権利委員会からは5人が参加しました。
話し合いは県や前橋市の場合と同様、聞きたいことや話し合いたいことをまず大浦代表が整理して出し、それに沿って説明や意見交換を行う形で進められました。重点が置かれ話題は、意見表明権に関わって人権標語・作文・ポスターの募集、それに子ども自身が自らの問題を考える「子ども会議」のことなどでした。
・人権カレンダー1万部
人権標語・作文・ポスターの募集は、教育委員会の生涯学習課が小中学生を対象に行っています。こうした表現活動で子どもが自分たちの権利を考えるだけでもすばらしいことですが、入賞作品をカンレンダーにして全家庭に配布しているのですから、たいしたものです。
・子ども自身が「いじめ撲滅宣言」
藤岡市の子ども会議は、2004年12月に「藤岡市子ども憲章」を採択しています。2008年2月、子ども会議は「いじめ撲滅宣言」(心のこもったあいさつ/うるおいのある学級・学校づくり/学年・学校をこえて交流/友達のよいところ認め等)を採択しました。以後、「いじめ問題解決に向けた子ども会議」として毎年開催、市内全小中学校の代表が集まって交流しています。
・子育て研修会
子ども課では、藤岡市発達障害支援事業として、「子育て研修会」を開催しています。子どもの発達についての不安などが虐待につながることも多く、健康推進員が母親の妊娠の段階からかかわりを持ち、早い段階から子どもの特性を理解していけるように取り組んでいます。小学校区ごとに「すくすく委員会」を設け、保育園・幼稚園・小学校・特別支援学校の委員が事例研究を進め、実践事例集にまとめて、だれでも活用できるようにしています。