パートナー通信 No.49
会員からのお便り
❤ 1月に『パートナー通信』No.48をお送りした後に、國井富廣さんのお便りが届きました。ご紹介が遅くなってしまいましたことをお詫びいたします。
明けましておめでとうございます。私は保育園で働いていて、いつも子どもに寄り添い、子どもの視点から地域や行政のこと、自分の子ども観などを考えているつもりでいるのですが、石橋さんの「子どもたちの作文と…」(『パートナー通信』No.47:2011/10)を読み、そんな自分は何と傲慢であることかと思い知らされました。謙虚でいることの難しさ…。
2005年、たけのこ保育園は認可園として、笠懸町西鹿田で歩きだしました。すると、「あんな危ない所に子どもを連れだしている」「迎えに行ったら、あちこち蚊にさされている」etc.あらゆる不満が苦情(?)として、市のこども課へ匿名の電話が次からつぎへと殺到し、課長が何度かたけのこ保育園へ「指導」のため足を運んできました。"子どもを散歩させるな"ではなく、子どもが安心して、車を気にせず歩ける道をつくるのが行政の仕事でしょ…と言いつづけてきました。
そして今、大きな変化が生まれています。保育園の西300mほどの所に天神山があり、節分にはそこから鬼が保育園にやってきます。地域の人たちは、松が枯れつぎつぎと倒れるので山に入るな、と"アドバイス"してくれるのでした。ところが最近、そこに遊歩道がつくられ、網の目のように頂上にむかって広がっています。今も作業は続いています。
また、「オキクルミと悪魔」に出てくるアメマスが住んでいる坊外戸(ボウガイド)沼へ行く道の脇は5mほどの崖となっているのですが、そこには、柵が…シルバーの方々を中心に地域の方々が、子どもたちが安全に歩けるように、楽しく遊べるようにと、市役所にかけあって、ボランティアで作業してくれているのです。
また、病気療養中の方が、子どもたちがその方(もう亡くなられたのですが)の家の近くを散歩して、「元気な声が聞こえると、勇気がわくんです。ありがとう」と保育士に声がかかったと…。
たけのこ保育園の存在が地域を動かし、元気にさせている! 本当にびっくりです。こんな名誉なとはありません。これからも謙虚に歩んでいこうと思います。
國井富廣さん(みどり市)
❤ ある会員の方が、不登校だったお孫さんとの会話を送ってくださいました。お孫さんは今でも「筆談」でしか話せないのだそうです。
祖父と孫娘の会話(孫は筆談)
祖父(81歳)の家へ孫娘「ちい(仮名)」(中2)が、学校帰りに立ち寄った。ママが迎えに来てくれる…とのこと。
ちいは、中1の後半から、いじめにあって不登校になり、祖父の家で過ごすことが多かった。
その頃、父に知られると叱られることを恐れて、いわば、避難していたのである。祖父はそれを受け入れていた。……中2になってから、とびとびに保健室登校を繰り返し、後半からは順調に登校している。時間はかかったが、登校を強制せずに自力登校を静かに促したことが、良かったのかも……。
その間、当時の担任教師は、2・3度電話をよこして登校を促したが、そのまま…? ちいの自力が何をきっかけにして付いてきたのか、良く分からない。
☆2月17日(金)午後4時半、家へ帰った祖父との会話
- 祖父: このごろ学校はどうだね?
- ちい: ちいが不登校から立ち直って、楽しく学校へ行くようになったら、今度は別の女の子が、今、不登校になっちゃったの。担任が悪い。
- 祖父: どんなところ?
- ちい: ちいも経験してるけど、うちの担任はしつこく休む理由を聞いてきて、すごくプレッシャーをかけてくる。学校にきてくれれば自分の評価も上がるって考えてる先生で・・・。
- 祖父: どんな先生?
- ちい: 男。31歳。男子校卒業。兄弟も男しかいない。女の子の気持ちがわかっていない。
- 祖父: それで…?
- ちい: ものすごい、生徒にプレッシャーかけてきて、チョットした事ですぐ怒るし、自分のクラスは、全員が提出物を忘れる人がいなくなるようにしている。
他のクラスより明らかに厳しい。全員がテストで、自己ベストの記録を出せって、無理なことを言ってきて、完璧主義で本当にうるさい。 - 祖父: 他の先生はどう?
- ちい: 他にも変な先生がいて、授業の開始のあいさつの時に、「あいさつなんかいらねえよ。こんな、怒られても謝りもしないガキのいるクラスに、あいさつなんかされたくねえ。おれは、やることやったら、とっとと帰るから」って言う先生がいて、生徒のこと「ガキ」って言って、ばかにしてくるけど……やさしい時はやさしい。
- 祖父: いくつぐらいの先生?
- ちい: 50~60代。学年主任…でも、なんか、授業見学でえらい人とか、教育委員会の人が授業を見にきた時だけ、汚い言葉使いとかしないで、急に良い先生になる。
○中は、校長先生(○○○○)以外、みんな変な先生ばっかりだ! - 祖父: 困ったねぇ。どうしたらいいんかなぁ?
……校長先生に話してみるか……
どう?……話せるかな?……難しいか。 - ちい: いや。できる。ちいは昔と比べてずいぶん大人になった。
- 祖父: ちい一人じゃあなく、他の生徒も一緒に話せるといいんだかな…。
- ちい: ……でもみんなは、そんな事あんまり気にしないで、自分の事しか考えていないから……。
ちいが、細かい事を気にしすぎるだけ。
校長先生なら言える。
(余白に、笑った自分の顔と、Vサインしているカットを書き入れていた。)
☆8時過ぎて、ママが迎えに来た。勤めているところで大変なことがあって、職員の休みが多く、勤務延長でみんな疲れている…と、母の方も大変である。
この孫との会話を通して、「子どもの意見表明権」と言われるものを、孫の生き方のなかに、どう定着して生かせるようになるのか……。この後、孫が本当に校長先生にアプローチしていったら、どんな展開になるのか? 怖いようで楽しいような……祖父{感慨無量…?}
(匿名を希望されました。)
お便り、ありがとうございます。皆さんからのお便りで世話人会はいつも励まされています。このコーナーを、会員の皆さんで一緒に考えたり、楽しい交流ができる場にしたいと思っています。
今回のお二人のお便りから、感じ取り、考えなくてはならい、たくさんのことを提示していただきました。皆さんからのご感想・ご意見、あるいは皆さんの身の回りにいる子どもたちの様子などを、お便りにしてお寄せください。
群馬子どもの権利委員会のホームページURL (http://gkodomo.web.fc2.com/)の「お問い合わせ」ページからメールで送ることもできます。
Fax.をご利用の場合は、事務局長・加藤(Fax. : 0270-20-2059)へ直接送ってください。
それから、同封のハガキも活かしてくださいね。
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