パートナー通信 No.51
『子どものけんりカルタ』多言語訳に挑戦-子ども日本語教室・未来塾のサマースクールを終えて-
「子ども日本語教室・未来塾(高橋眞知子塾長)」は、日本語を学びたい子どもたちへの支援事業として2012年4月、伊勢崎市に開塾しました。支援母体はNPO法人「Jコミュニケーション(高橋清乃理事長)」です。未来塾の目的は「日本語を学びたい子どもたちへの日本語と教科学習の支援。日本語を学びたい子どもたちの居場所作り。地域での支援と交流を通じて、多文化共生の社会作り」などです。世話人の有志が定期的な日本語学習支援などに参加しています。
一学期の支援活動をふまえて、夏休み中、7月・8月に各4日間実施した「サマースクール」の参加ルポです。
普段は十分できない楽しい活動(学習も含む)と交流を深めて、みんなで作り、みんなで遊んだ8日間でした。"英語であそぼう" “バルーンアート" “和紙づくり" “こわいお話の会" などに加えて、石橋峯生先生の「ビュンビュンゴマ」作りと『子どものけんりカルタ』をそれぞれの子どもの母語に訳してカルタ大会をしました。
「ビュンビュンゴマ」作り
いつもは元気いっぱい、やんちゃであばれんぼうのKくんが、奇想天外(?)なコマを作り出し、みんなをアッ!!と言わせます。最後には、持参している水筒を廻してみたいと言いだしました。
石橋先生は「廻るんだよ…、右と左のバランスさえ完全にとればね。」と、早速実演します。時間をかけて左右のバランスをとり、水筒の中央をしっかりした太いひもで結わえました。子どもも大人も息を飲むように見守る中…、ゆっくりと廻り始めました。
「重たいものは廻り方がゆっくりだね」と重力と回転の話をちょっぴり。
『子どものけんりカルタ』多言語訳
これは想像以上にたいへんでした。元のカルタの日本語表現が情緒的だったり、抽象的だったり…しているのです。私たちが作った読み札でしたが、外国語の網にかけてみると日本語の特徴がよく見えてきました。
スペイン語の先生が辞書と首っ引きで汗をかいてくださいました。
カルタの絵付け(ぬり絵)とカルタ大会は、どの子もみんな"楽しかった!!""もう1回!!もう1回!!"と身体をのり出しての歓声が湧き上がりました。
「子どものけんりカルタ」や「子どもの権利」についての事前学習は十分にはできませんでしたが、自分が訳したカルタは、それぞれ自分の学校へ夏休みの「自由学習」として提出することにしました。
(文責:小林美代子)