パートナー通信 No.52

第52号(全12ページ)のからの転載です。

2013年1月/52号(通算68号)

2013年1月/No.52(通算68号)

子どもと創る群馬の教育 代表  大浦 暁生

 まだ松の内の一月五日から六日にかけて、新英語教育研究会(新英研)の関東ブロック集会に参加するため、水上温泉の源泉湯の宿「松乃井」にでかけました。
 新英研は一九八一年夏に、松乃井で全国大会を開いています。開催に合わせてシリーズ「英語教育実践風土記」が刊行されはじめ、群馬が第一巻を受け持ちました。実践風土記は以後数年にわたって一、二年に一冊刊行され、東海地区、福島、北海道など、その地の土のかおりがする英語教育の実践を世に送りつづけました。
 群馬の土のかおりがする英語教育とはどのような教育実践だったのでしょうか。それは『子どもと創る英語教育』というこの本の題名に、みごとに示されています。群馬には、島小教育に見られるように、授業を子どもと教師がともに人間的に成長する場としてとらえる伝統がありました。英語なら、たとえばすぐれた英文教材をめぐって子どもも教師も自由に自分の解釈を出しあい、ともに認識を深め感性を豊かにしてゆくのです。
 この伝統は現在にも受け継がれています。今回の集会のテーマは「一人も取り残さず、すべての生徒にケアーを、学びの機会を」で、全体会の講演は日本の公立学校でつらい思いをしている外国籍の子どものために教室を開いた大学教授の実践報告でしたし、分科会でも発達・学習障害の子どもに配慮した学びが紹介されたりしました。教師は子どもたちをありのまま受け止め、人間として対応しながら、ともに学ぶのです。
 もとよりこれは英語教育だけに限りません。英語はむしろ出遅れで、国語、算数、作文などの先駆的な実践に学びながら、自らの世界を創造してきました。どのような教育場面であれ、群馬の教育は子どもを独立した学習主体として尊重するのです。
 そしてこれは、子ども一人一人の人格と権利をなによりも尊重するという、私たち群馬子どもの権利委員会の立つところと、基本的にまったく同じではないでしょうか。今年もみなさまとともに進みたいと思います。どうぞよろしくご指導ください。

(注・原文は縦書きです。)


かけがえのない いのち、人権、自由を子どもに
群馬子どもの権利委員会
Gunma Committee for Children’s Rights


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