パートナー通信 No.54
目次
世話人会だより
- ❝本の紹介❞
『うばわないで!子ども時代 気晴らし・遊び・文化の権利(子どもの権利条約第31条)』
増山 仁・斉藤史夫 編著
新日本出版社(2012年12月発行)1500円(税別)
「子どもの権利条約」が1989年に国連で採択されてから24年、日本が1994年に批准してから19年が経ちました。私は小学校4年生と5歳の保育園児、2人の息子の母親ですが、ママたちの間で「子どもの権利」が日常の中で話題に上がることはまずありません。一方で、子どもたちをめぐる身近な問題は、いじめ、体罰など権利に直結する問題が山積し、待ったなしの状態が続いていて、ママたちの間での不安感、問題意識はより高まっているように感じています。私自身、ママ友だちから、いじめや体罰の問題をこれまで幾度となく相談を持ちかけられ、また私自身も何度もこの問題に直面してきました。我が子が、いじめや体罰に巻き込まれた時に「何を、どう考え、どう対処するのか」は一番の問題関心でもあると思います。普段は話題にしない(できない?)けれど、実は「子どもの権利」を抜きにしては、子どもをめぐる問題は何も解決できないことを実感することが何度もありました。
この著書では、特に子どもたちの「遊びの文化」に着目しながら、子どもの権利条約において「忘れられた条文」といわれる第31条の意味を問い直しています。小学校や学童保育、地域での様々な子どもの居場所作りを実践している事例を紹介し、子ども時代を豊かに過ごすことが子どもの成長にとって、いかに重要かが語られています。それは、特に私のような子育て真っ最中の親にとって、子育てのヒントになることが多くあるように感じています。ついつい、仕事や家事、子ども関連の行事手伝い(学校や保育園、幼稚園、育成会など)だけでへとへとな、余裕のない日々の中で何のための子育てか、誰が幸せになっているのかも解らなくなってしまいがちですが、この本はそんな日常をふと振り返らせ、立ち止まらせてくれる力を持っている気がします。
また、あの3・11東日本大震災で、大災害の渦中にあった避難所の中であっても、子どもたちは独自に「新聞作り」に取り組み、それが周りを助け、元気づける力になったことなどについても触れられています。ただ「保護される側」だけでない、子ども本来の持つエネルギーのすばらしさについても報告されています。
この暑い夏、これまでの日本を担ってきた大人として、これからの日本にどのような夢を描き、どう未来の子どもたちに託していくのか、この本をヒントにしながら、考えてみてはいかがでしょうか? きっと、私たち大人も、なにか楽しいことをやりたくなってくる、わくわく感が出てくること、間違いなしです。
(今村井子) - ☆総会において承認された世話人会メンバーです。1年間よろしくお願いいたします。
大浦暁生(世話人・代表) 石橋峯生(世話人・副代表)
河嵜清松(世話人・副代表) 加藤彰男(世話人・事務局)
藤井幸一(世話人・組織担当) 小林美代子(世話人・会計)
茨木邦子(世話人・会計) 高橋清一(世話人)
八木清江(世話人) 阿比留とき子(世話人)
阿藤和子(世話人) 今村井子(世話人)
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