パートナー通信 No.56
新版『子どものけんりカルタ』を
広めましょう!
新版『子どものけんりカルタ』(オールカラー)が完成しました。世話人の小林さんと絵札原画作者の 次百さんにお聞きしました。
「子どもたちにわかることばで」
世話人 小林美代子
1993年の委員会設立以来ずっと、子どもたちの日常生活の隅々にまで条約の精神が具体的に生かされることを願ってきました。しかし、条約の文言があまりにも難し過ぎて子どもたちのもとへ届けられないという思いも強くありました。そこで「子どもたちにわかることばで!!」と考え、独自のリーフやカルタを作ってきました。1996年のリーフ初版『子どものけんり条約』、2001年の改訂『子どものけんりじょうやく』や『あそべあそべカルタ』などです。
そして2003年に「子どもたちが取って遊べるカルタにしてはどうか」というご意見をもとに、50音『子どものけんりカルタ』」を完成させました。しかし、私たちの思いの丈が募るせいか、読み札の文言がやけに長いのです。その上、絵札は全部子どもの顔の表情のみでした。シンプルとは言え、これでは子どもたちが"わっ!!"と飛びついて遊ぶまでにはゆきませんでした。
それから9年、日々の活動の中で常に「カルタ」が意識され、話題になりました。まずは文言を半分くらいのショートバージョンにできないだろうか?世話人会ではこの2年間ほど、再改訂版リーフ『やさしく言いかえた子どもの権利条約』の制作に向けて条約の全文を読み合い、並行してショートバージョンの文言の検討を続けてきました。ほぼ完成に近づいたころ、どなたか絵を付けてくれる方がいらっしゃればなあ…しかも、ノー・ギャラで!!…祈るように念じて待つ日々でした。2012年8月末日、偶然、運命的な出会いが。次百(つぐも・ペンネーム)さんです。その場で意気投合?し、一気に具体化の動きが進展しました。2013年12月、設立20周年の節目の年に、会員の皆様の大きな支えをいただきながら、フルカラーの新版50音『子どものけんりカルタ』の完成に漕ぎ着けることができました。
読み札、絵札ともにまだまだ不十分なところが多くあると思っています。今後カルタ遊びをしてくださる皆様と一緒に、より完成度の高いものへと発展させられたらと願っています。身近のお子さんや大人の方がたに広めて、子どもたちに、自分こそが生きることの主人公なのだという気づきの場を作ってくださるよう願っています。
「こんな素晴らしい考え方」
絵札原画作者 次百さん
はじめ、「カルタに絵を」とお話をいただいたとき、知人に相談しましたら、「次百さん、これに関わると人から笑われるよ」とアドバイスをしてくださいました。私はそのとき、「笑われるって、どんな事だろう?わからないなら笑われてみよう!」と思い、決意し、条約の勉強から始めました。条約の内容を生まれて初めて知ると、本当にこんな素晴らしい考え方がこの世にあるのだ。もっと深めたいと正直に思いました。勉強したあとに描いた絵をアドバイスしてくれた方に見せましたら、「イイ絵だね」と言ってくださいました。
結果、いろいろな人のいろいろな考えやモノの見方を学ばせていただける、私にとってはまたとない「人生の研修」となりました。そして自己覚知もできるようになりました。私はまだまだ「人生の研修」をして行くつもりです。自分と同じ考えを持っている人、似たような考えの人、またちょっと角度や見方が違う人、そして自分とはまったく考えの異なる人とも融和していけたらと考えています。
『次百=人間は決して「百」になることはない。けれど「百」というポジティブな理想に向かって、淡々と歩みを進めて行く。』
人間は完璧ではない。だから生きている(人生の歩みを進める)意味があるんだと、この名を私の絵師名にしております。
会報に連載のスペースをくださった編集部のみなさん、そして私の拙い文章を読んでくださった会員の皆さんに心より感謝申し上げます。また機会がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。