パートナー通信 No.60

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全国保育所給食セミナーin群馬が開催されました! はと保育園 園長 平石美奈

 私たち保育センターは、この忙しい時期に給食セミナーの全国大会に取り組みました。本当は、お隣の栃木県の開催予定でしたが、諸般の都合で苦しい時の群馬頼みをされました。

 27年度から保育制度が大きく変わるという直前の大会です。運動も正念場をむかえているだろうことは容易に想像がつきました。ここ数年「ふられた仕事は請ける」が私のモットーでした。「人より多く仕事をやらされるのは損だ」という空気があることへの小さな反発です。損得で考えるのは世知辛く心が貧しく感じます。とはいうものの、一年あるから大丈夫。群馬合研に取り組んだ経験があるから楽勝、と少し余裕でいました。やはり直前にはパニックに近い焦りを覚えました。引き受けて良かったのか?この仕事にかかりきりになって周りに迷惑をかけているのでは、という小さな後悔もよぎりました。でも、そんな気持ちを支えてくれたのは、群馬の保育士たちのつながる力でした。オープニングの八木節は、5回も練習をしました。運動会の取り組み、11・3の東京での保育大集会、10月末の群馬県全域をまわって懇談する自治体キャラバン、その他、保育の研修が目白押しだった時期です。保育士の負担になるのではないかと、練習回数を削ろうかと思ったのですが、「舞台に上がるのに恥づかしいことはできない」ということで、群馬の保育士たちはやりきってくれました。そのほかの、受付やら交通案内やらもろもろは係分担をし、各係がきちんと役割を果たしました。さすが、群馬といったところです。給食だけを切り取った大会ではなく、保育と一体化して考えることを柱にしました。群馬の保育と食をテーマにした各保育園の写真をパネル展示したのは圧巻でした。自分の園のパネルが上出来だと思い得意げに持込んだところ、どの保育園も工夫を凝らし、子どもたちの様子が手にとるように伝わってきました。

 そして当日。どうせやるからにはみんなにとってプラスになる大会にしようと心を決めました。2日間の大会参加者は1,000人を超え大成功しました。鈴木実行委員長が「給食という切り口は、なかなか奥が深い」と言ったとおり、給食を取り巻く問題を様々な角度から掘り下げました。
 小児科の和田先生の貧困と医療費の問題の話は、胸が詰まる思いでした。医療費を窓口でいったん支払い、後で支給される仕組みの補助制度の場合、支払いが厳しいお母さんが子どもの受診を敬遠するというものでした。
 1日目の講演やシンポジウム、2日目の6つの講座と6つの分科会と盛りだくさんの内容で、大会は沢山の学びと連帯の気持ちに溢れました。保育士、保護者も多く参加し、みんなで食を守ることの大切さを確認しました                 
 保育園の中での給食職員の立ち位置は多勢に無勢のところがあるのです。しかし、この大会に参加して、多くの人の関心が給食にあるという事を実感し、「頑張ってみます。」と感想を寄せてくれた20代の調理職員もいました。 
 学ぶことでつながっていくという体験、それは損ではない、得なのです。殺人的な忙しさに日々とらわれている保育関係者が、これからも意識的に行動していければそれがたくさんの連帯を生んでいくと思います。


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