パートナー通信 No.67
初めての合同ジャガイモ掘り! 子ども日本語教室「未来塾」と「ひろせ川教室」
伊勢崎市の子ども日本語教室「未来塾」と前橋市の学習支援教室「ひろせ川教室」が6月25日に「合同ジャガイモ掘りを行いました。5月の総会・第二部企画で県内の学習支援に取り組んでいる皆さんの交流を行いましたが、そこで学ぶ子どもたちが集い収穫の喜びを分かち合う企画へと発展しました。両教室の代表から当日のルポを寄せていただきました。
Hola! で初顔合わせ
「未来塾」塾長 髙橋眞知子
梅雨の合間、曇り空の土曜日の午後、未来塾恒例のじゃが芋掘りをしました。Hola!で初顔合わせの二つの教室、すぐに一緒に泥んこになり作業に熱中。

“あっ! 見つけた。" “採れた。" “大きい!" “こんなに小さいのもあった。" などにぎやかなこと。今年は大きな「北あかり」が大豊作。用意した袋が足りない! 重くて持ち上がらないよー・・・こんな豊作は皆を笑顔にします。二つの教室の子どもたちがなんだか一緒に思えてとてもかわいかったです。
場所を変えて収穫の後のバーベキューと交流会。未来塾を代表してKちゃんがスペイン語と日本語で教室の紹介をしました。いろいろ企画はあったけれど、時にはあまりきっちりと決めないで野放しにするのもよいものです。
程よい疲れにバーベキューのいい匂い!じゃがバター、フランクフルト、焼きマシュマロ! 瑞々しい「栗の木ファーム」の採れたて野菜!たくさん食べて、走り回って、最後は皆で掘ったじゃが芋をたくさん袋に詰めてボランティアさんの車で帰路に。またなにか楽しい交流を、と約束してCiao!でお別れしました。

マシュマロを焼くときに子どもたちはそれぞれ工夫をし始めて、一緒に焼き鳥状態の串刺しにして焼いたりして面白かったです。今回は畑の近くの集会所をお借りしたので、走り回れる広さがあったのもよかったです。子どもは少しの材料と広さがあればいろいろ工夫して遊びまわるものですね。
素晴らしいじゃが芋を作ってくれたT.K.さん、泥だらけの子どもたちを車に乗せてくれたボランティアさん、遠くから参加してくれたひろせ川教室の皆さん、楽しい交流行事になりました。ありがとうございました。
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初体験 “じゃがいも掘り"
「ひろせ川教室」
深澤尚伊(前橋協立病院小児科医)
6月25日。多少の雨なら降っても決行、という決意のみなぎった企画。NPO法人Jコミュニケーション「未来塾」が用意した企画に乗せていただいた。ひろせ川教室の教育者としてのリーダーでもあり、子どもたちを応援している団体に、たくさんのアンテナを持っている関口さんからこの企画を伺ったときは、始まったばかりの「教室」をみんなが応援してくれているようで嬉しかった。芋掘りの前々日、未来塾の小学生担当の髙橋眞知子さんが、わざわざ「教室」を訪問してくれ、詳細な打ち合わせ。
当日は、「教室」の中でも特に存在感のある4名の子どもたちと、いつもの場所の前で待ち合わせ。長靴・手袋など、ばっちり恰好はできている。私の車に乗せ、先発の事務職員に追いつくべく、赤城山中腹の芋畑に向かった。
現地では、すでに掘り上げた大小不揃いの芋の山。普段の算数の計算では、二問目から集中の切れてしまう、S君もスコップを持つと最後まで集中して、芋を掘り上げる。おいおい、いつもの集中力の無さは何なんだ!と、うれしいギャップ。
帽子を忘れたT君に、こんなのいやだろうな、と思うような麦わら帽子を、貸してあげるとバーベキュー会場へ出かけるまで、かっこつけてかぶっていた。

芋掘りの後には、公民館の庭に移動して、自分たちで収穫したジャガイモも加わったバーベキューが準備されていた。片寄せあうようにして、串にさしたマシュマロを焼く光景も彼らにはどう映ったのだろうか。
帰る時には、期待以上にたくさんのおいしいジャガイモを、袋一杯に持って保護者のもとへ帰って行った。
この子たちに、いつもとは言えないし無理もあるが、わくわくするような体験のチャンスを、もっともっと作らなくてはいけないし、それは、私たち大人の問題なのかもしれない。南米から日本に来て、言葉の壁にぶつかっている同世代の子どもたちと、話こそしないが、一緒の場所に同じ目的でいる経験も、きっと、彼らの中にはふつうの事としてとらえられてゆくだろう。

子どもたちの遊びと協同の居場所づくり、多言語・多文化共生への扉を開くなど、大切な視点を示していただきました。 「ひろせ川教室」ボランティアの関口さんから寄せられた「夏まつり」の報告をつづけて紹介します。(編集部)