パートナー通信 No.69
世話人会だより 出前授業、カルタに触れた子どもの気づきと
子どもが作った「子ども人権カルタ」 関口 信子
「子どものけんりカルタ」の出前授業は、子どもたちに「子どもの権利条約」を知らせ、子どもの権利について理解するきっかけづくりと考えています。
親子行事や人権週間にちなんで実施することが多く、子どもたちは、「子どものけんりカルタ」のことを人権カルタとも呼んでいます。
難しい条文を身近なものに置き換え、理解しやすいように作られた「子どものけんりカルタ」で遊び、子どもの権利に触れていきます。そして、このけんりカルタを通して自分を取り巻く現況を見回し、何が大事か考え、意識をもってより良い改善へとつなげてくれることを願っています。
実際の授業では、カルタ取りに思い切り熱中して遊び、その気持ち良さの中で、じっくりとカルタ言葉を振り返って、気に入ったカルタ言葉や気になったカルタ言葉を見つけます。なぜ、気に入ったのか?なぜ、気になったのか?を考え、思いを共有して、それらのカルタ言葉をより良い意識づくりの合言葉として活用してほしいと伝えています。
今年も出前授業の後、たくさんのお手紙をいただきました。学びになったことや自分の在り方に気付いた感想などが率直な言葉で綴られていて本当にうれしくなります。子どもたちの声を紹介したいと思います。
金曜日、人けんカルタをして、わたしは、「まちがいなんてだれにもあるよ」が気に入りました。わたしも、まちがいをいっぱいやって友だちにへんなことを言われました。でも、このよみふだを聞いた時、「そうだよな。」って思いました。
3年K子
先生、おもしろいカルタで遊ばせてくれてありがとうございました。
「きみもたいせつ ぼくもたいせつ」が、ぼくの一番のお気に入りです。
だって、大人は子どもの気もちわかってくれないからやだ。大人、日本いや世界中、わかってほしいです。
人けんカルタは、おもしろい!
3年D男
ぼくは、人けんカルタをやってきづいたことがあります。それは、友達にやさしくしてあげるということです。
ぼくは、お友達にいやな言葉やぼう力をふるったりすることがあるので、カルタをして「やらないようにしなきゃ。」と思いました。人けんカルタは、どれもいい言葉でした。それをカルタをしながら楽しく学べることがいいなあと思いました。また、このカルタをしたいです。
4年T男
人けんカルタは、やったことがなかったけどとても楽しかったです。わたしの一番すきな言葉は、「つかれたときは、ゆっくり休もう」と「あそびは子どものエネルギー」です。その言葉がとても好きでした。この言葉をいっぱいいしきしようと思いました。
4年S子
この前、子どものけんりカルタをやって「ちがっていいんだ あなたとわたし」がとても好きです。なんでかというと一人一人ちがっていいんだな。あんまり友達と合わせないで自分らしくいればいいんだなと思えるからです。お母さんともいっしょに遊ぶことがないから楽しかったし、心にささった言葉がたくさんありました。
4年H子
子どものけんりカルタについて教えてくれてありがとうございました。子どもにはこういうけんりがあるんだとよく知れました。とくに、「らんぼうするなよ話せばわかる」という札をお母さんの目に焼きつけたいです。
4年M男
先生方からも頼もしい感想をいただきました。学校現場で子どもの権利が守られ、「みんなでつくる たのしい学校」になってくれたらどんなにうれしいことでしょう。
○保護者や子どもが子どものけんりカルタを知ることができたことは、とても意義があることだと思いました。私自身も普段の教育活動に活かせそうな内容のものばかりで大変ためになりました。
4年担任
○とにかく内容を味わえたことが最も意義があったと思います。「クラスのけんりカルタを作ってみようか」と呼びかけてみたら「えっ、ヤッター」と一瞬で決定。 会終了後、親の表情がとても温かく、明るく、話にうなづきながら聞き入ってくれました。いいものに出会ったからだと思います。いい経験を創る。いい授業を創る。そして大人も子どもも育ちたいです。 忙しいからいろいろ縮小しようという動きがある中、子どもの学習や子どもの育つ行事こそ、手を抜かず、力を尽くす実践を広げていきたいと思います。
4年担任
平成28年度の出前授業は、カルタ遊びや振り返りだけでなく、子ども自身の思いや考えなどをカルタ言葉にして「ぼくのわたしの子ども人権カルタ」が作れるようカルタの枠を提供して「子ども人権カルタづくり」を提案してきました。カルタ言葉を考えることで権利や人権の意識が高まるとともに自分の表現や主張ができるからです。
そんな働きかけにさっそく子どもたちがカルタ言葉や絵を考え、「こども人権カルタ」を作ってくれました。カルタは、子ども目線での気づきや願いを素直に表現していてとても新鮮です。そんな純粋で素直な視点で作られたカルタも紹介します。
(け)けんりはあるよ だれにでも
(こ)こどもにも 生きるけんりはあるはずだ
(ゆ)ゆうきだし、ほんねをいえばきもちいい
(や)やめようね 自分がされていやなこと
(つ)つらい時、がまんしないでうちあけよう
(あ)あいさつは みんなを元気にすることば
(へ)へいわがいちばん えがおもいちばん
(せ)せんそうは 命のキケン やめようよ
(さ)さべつはやめよう みんな仲よく
(ほ)ほんとうは すごくやさしい そのこころ
(ろ)ろうじんやこまっている人 たすけよう
(へ)平気だよ むりをしないでそうだんしてね
(あ)ありがとう いわれた人も いい気持ち
感動的なカルタ言葉がいっぱいです!子どもたちはとても優しいというのが伝わってきます。この「ぼくのわたしの子ども人権カルタ」で遊び、合言葉にしてほしいです。