パートナー通信 No.71

目次

地域の活動紹介①第56回群馬県母親大会に参加して小林美代子

憲法施行70年、今、日本の憲法、平和、民主主義が危ない中で、新たな「戦前」にならないよう、大きく声をあげよう

 2017年9月10日みどり市笠懸野文化ホール「パル」と笠懸公民館を会場に県母親大会が開催されました。午前中11の分科会と午後の全体会を通して参加者は800名を越え、それぞれに学習や体験を深め、交流し連帯の輪を確かめ合いました。特に、午後の記念講に予定されていた澤地久枝さんが急病のため、急遽駆けつけて下さった清水雅彦さん(日本体育大学・憲法学・九条の会)のお話はとても新鮮で感銘深いものでした。―憲法の権利・自由を使いこなしていますか?―

どうする「子ども期」の崩壊

 子どもの権利委員会では、午前中の第1分科会「子どもの貧困と学ぶ権利の保障」に助言者として参加いたしました。 子どもの貧困が叫ばれて久しくなります。今も6人に1人、7人に1人の子どもが貧困状態におかれています。成長と発達に不可欠な「食べること」「学ぶこと」「遊ぶこと」など基本的な日常生活が脅かされ、かけがえのない「子ども期」全般が崩壊・剥奪されている現実を前に30数名の参加者がそれぞれの活動や思いを率直に語り合いました。

学習会を重ねて~子どもの権利委員会からのレポート~

 子どもの権利委員では、「ぐんま教育文化フォーラム」「教育ネットワークぐんま」と三者連携のもと2010年9月~2017年5月までの7年間に計5回「子どもの貧困」をテーマにフォーラム、シンポジウムを開催してきました。 学習会や体験交流会を重ねる毎に、参加した方々の気持ちは高揚し、「何か自分にできることはないのか?」「何もせずには居られない‼」という思いに駆られて、具体的な行動に発展していったように思います。県の福祉課や子ども課の方々はじめ複数の行政の方々、社会福祉協議会の方々との連携も深められました。私たち市民レベルの自発的エネルギーと相俟って無料学習塾や子ども食堂開設、運営へとつながった所もあります。

分科会参加者の声

  • ❤すでに無料学習支援をはじめている。他県でもやってきたが、特に官僚は現状を解っていない。これから子ども食堂をはじめたい。(沼田市男性)
  • ❤今年春、子ども食堂をオープンした。小学校や団地を通してチラシ配布。スタッフ30人、賛助会員20人。月1回実施。子どもたちがあそびのコーナーで真剣に遊ぶ姿に感動、母親自身も解放され癒しの場に。(桐生市女性)
  • ❤行政との連携を密にすると共に各地域の校長会やP.T.A連合会などへの積極的な働きかけも必要ではないか。(伊勢崎市女性)
  • ❤無料学習塾で生気を取り戻し、学習意欲を高めている子どもを見ていると、公教育や公立学校とは?…その原点が問われる。
  • ❤高校教師を退職、今、不本意ながら悪の教育に加担してしまったのではと反省している。(富岡市男性)
  • ❤子ども手当月5,000円を受給するためにあまりにも煩瑣な手続きをさせられる。「5,000円なんかいらない‼…」と思いたくなる程。

課題と展望

 安心、安全な場所の確保、安定的な財源とマンパワーの確保など行政との綿密な連携がますます強く求められます。日本国憲法と子どもの権利条約に依拠し、子どもたちの豊かな日常を保障するために力を合わせようではありませんか。


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