パートナー通信 No.82

子どもの最善の利益をめざす
全国各地の活動紹介No.2

※このコーナーでは、子どもの最善の利益のために活動する全国のさまざまな団体をご紹介します。他の会員に知らせたい団体がありましたらハガキやメールでお知らせください。

 今回紹介するのは、10代女性を支える活動に取り組むColabo(コラボ)です。

  Colaboは、代表の仁藤夢乃さん自身が中高生のときに、家や学校に居場所がなくて渋谷などの繁華街をさまよっていた経験から、その年代の少女たちの安全を守り、支えたいと始めた活動です。
 渋谷や新宿などには、居場所のない10代女性が集まってきます。虐待やネグレクトを受けている女の子もいれば、過干渉の親の支配から逃げ出してくる子もいるそうです。しかし、若い女性が街に出るということは、性的なものを含むさまざまな危険と隣り合わせです。家出少女は、危険と分かっていても、泊めてくれる人を探すほかありません(「神待ち」と言うそうですが、そこにつけ込む人は「神」でしょうか?)。
 そこで、Colaboはかわいいピンクのバスを仕立て、夜の街に繰り出して、10代女性限定の無料カフェを開いています。食事やドリンク、化粧品や服、生理用品などを無料で提供し、スマホの充電もできるそうです。スタッフ以外は大人も男性も立ち入り禁止で、女の子たちがホッと一息つける空間になっています。

 家に帰れない状況にある子には、同団体が運営するシェルターに身を寄せるよう声をかけます。中長期的に女の子たちの自立を支援するシェルターもあり、共同生活の中で傷ついた心を癒し、次の一歩を踏み出す準備をしているということです。
 コロナ禍で、Colaboに助けを求める女の子からの連絡が急増しているそうです。外出自粛によって家族全員が自宅で過ごす時間が長くなり、もともと家庭に居場所のなかった女の子が街に出ざるをえなくなっている、外出自粛でかえって危険が増す人もいることを考えてほしいと、代表の仁藤さんは繰り返しメディアで訴えています。

※10代後半は子どもと大人の狭間で、支援から取りこぼされがちな年代です。児童養護施設は18歳で退所となり、成人するまでアパートなどの契約に苦労するといいます。少年法改正でも、18、19歳が大人と同じに扱われ、更生の機会が減ることが問題となっています。引き続き考えていきたい課題です。


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