パートナー通信 No.82
- 1. 2021年2月/No.82(通算98号)
- 2. 〔2021年最初のパートナー通信によせて、年頭のご挨拶〕
誠実に応答すること代表 加 藤 彰 男 - 3. シリーズ「『第4・5回最終所見』を読み解く」①一般的実施措置に関する勧告加藤 彰男
- 4. コロナ特集①「今」を共に過ごす大前 ちえり(コスモス保育園園長)
- 5. コロナ特集②危険!学校を突破口に、
コロナを追い風に
進む第4次産業革命高橋 保(公立小学校教諭) - 6. コロナ特集③サンフェルナンドバレー日本語
学園の取り組み川田 良子
(サンフェルナンドバレー日本語学園Office Manager) - 7. コロナ特集④コロナ禍とこども食堂
「あつまれ前橋スポット」編清水 紅(あつまれ前橋スポット) - 8. コロナ特集⑤コロナ禍で始まった学習支援の
子どもの居場所関口 信子(JOYクラブ) - 9. 活動報告お米プロジェクトについて芦田 朱乃(群馬子どもの権利委員会 事務局長)
- 10. 第7回 しらたま夕食子ども食堂
- 11. 会員からのお便りパートナー通信No.81の感想・近況
- 12. 子どもの最善の利益をめざす
全国各地の活動紹介No.2 - 13. 世話人会だよりガマン、している。でもやめない!芦田 朱乃
子どもの最善の利益をめざす
全国各地の活動紹介No.2
※このコーナーでは、子どもの最善の利益のために活動する全国のさまざまな団体をご紹介します。他の会員に知らせたい団体がありましたらハガキやメールでお知らせください。
今回紹介するのは、10代女性を支える活動に取り組むColabo(コラボ)です。
Colaboは、代表の仁藤夢乃さん自身が中高生のときに、家や学校に居場所がなくて渋谷などの繁華街をさまよっていた経験から、その年代の少女たちの安全を守り、支えたいと始めた活動です。
渋谷や新宿などには、居場所のない10代女性が集まってきます。虐待やネグレクトを受けている女の子もいれば、過干渉の親の支配から逃げ出してくる子もいるそうです。しかし、若い女性が街に出るということは、性的なものを含むさまざまな危険と隣り合わせです。家出少女は、危険と分かっていても、泊めてくれる人を探すほかありません(「神待ち」と言うそうですが、そこにつけ込む人は「神」でしょうか?)。
そこで、Colaboはかわいいピンクのバスを仕立て、夜の街に繰り出して、10代女性限定の無料カフェを開いています。食事やドリンク、化粧品や服、生理用品などを無料で提供し、スマホの充電もできるそうです。スタッフ以外は大人も男性も立ち入り禁止で、女の子たちがホッと一息つける空間になっています。
家に帰れない状況にある子には、同団体が運営するシェルターに身を寄せるよう声をかけます。中長期的に女の子たちの自立を支援するシェルターもあり、共同生活の中で傷ついた心を癒し、次の一歩を踏み出す準備をしているということです。
コロナ禍で、Colaboに助けを求める女の子からの連絡が急増しているそうです。外出自粛によって家族全員が自宅で過ごす時間が長くなり、もともと家庭に居場所のなかった女の子が街に出ざるをえなくなっている、外出自粛でかえって危険が増す人もいることを考えてほしいと、代表の仁藤さんは繰り返しメディアで訴えています。
※10代後半は子どもと大人の狭間で、支援から取りこぼされがちな年代です。児童養護施設は18歳で退所となり、成人するまでアパートなどの契約に苦労するといいます。少年法改正でも、18、19歳が大人と同じに扱われ、更生の機会が減ることが問題となっています。引き続き考えていきたい課題です。