パートナー通信 No.82
- 1. 2021年2月/No.82(通算98号)
- 2. 〔2021年最初のパートナー通信によせて、年頭のご挨拶〕
誠実に応答すること代表 加 藤 彰 男 - 3. シリーズ「『第4・5回最終所見』を読み解く」①一般的実施措置に関する勧告加藤 彰男
- 4. コロナ特集①「今」を共に過ごす大前 ちえり(コスモス保育園園長)
- 5. コロナ特集②危険!学校を突破口に、
コロナを追い風に
進む第4次産業革命高橋 保(公立小学校教諭) - 6. コロナ特集③サンフェルナンドバレー日本語
学園の取り組み川田 良子
(サンフェルナンドバレー日本語学園Office Manager) - 7. コロナ特集④コロナ禍とこども食堂
「あつまれ前橋スポット」編清水 紅(あつまれ前橋スポット) - 8. コロナ特集⑤コロナ禍で始まった学習支援の
子どもの居場所関口 信子(JOYクラブ) - 9. 活動報告お米プロジェクトについて芦田 朱乃(群馬子どもの権利委員会 事務局長)
- 10. 第7回 しらたま夕食子ども食堂
- 11. 会員からのお便りパートナー通信No.81の感想・近況
- 12. 子どもの最善の利益をめざす
全国各地の活動紹介No.2 - 13. 世話人会だよりガマン、している。でもやめない!芦田 朱乃
コロナ特集③サンフェルナンドバレー日本語
学園の取り組み川田 良子
(サンフェルナンドバレー日本語学園Office Manager)
最初に、サンフェルナンドバレー日本語学園は毎週土曜日の午前中だけ授業をしている創立から間もなく100年になるロスでも長くからある語学学校です。もともとは日本からの移民の為に日本語教育、日本行事を継続する為に設立された学校ですが、昨今はアニメの影響もあり日本人、日系人以外の生徒も増えてまいりました。通常であれば大人のクラスも合わせると90名ほどの生徒数です。
弊学園は2021年3月初旬にカリフォルニア州ロサンゼルス市の規制の元、すぐにオンライン授業に移行しました。通常の4時間授業は特に小さい年齢の生徒には無理があるだろうということで3時間体制に変更、通知表の成績もない形で語学勉強継続を最大の目的に変更しました。最初は数カ月でコロナが終息するであろうと思いましたが、年末まではまたはもしかすると2021年までも同じ状態でのオンライン授業になるだろうと長い目で計画を立て直し、本来の年間行事もキャンセルではなく、オンラインでもできる範囲で行事を生徒に提供しようと随行しました。
最初に行ったのはZoom運動会です。これはNHK朝イチでも少しだけ取り上げてもらいました。みんなでラジオ体操やったり、借り物競争、まめ運びではなく、丸い粒のものと箸を準備して数えてタイムを競ったり、最後にはお弁当を個々に準備して一緒に食べながら、校長や担任の先生が生徒に話しかけて、お弁当の中身を聞いたりして1時間でしたが生徒が元気に頑張っている様子が見れて良いイベントになりました。
2月にはZoom学習発表会も開催して日本に帰国している生徒も参加できたというオンラインだからの利点もありました。2月の豆まき、3月のひな祭りも同じような形でできるように只今先生方が準備中です。
学校が開校できないことでスナックスタンドで販売していた菓子類をどうしようかとなり、捨ててしまえば簡単なことですが、まずは外箱ごと未開封品はフードバングに寄付に持って行きました。外箱は開いているけど個々のお菓子はまだ袋のままの物は知り合いの看護婦さんを通じて病院に寄付して医療関係者のおやつに食べて頂こうと寄付ができました。
学校は非営利団体です。年に4-5回のファンドレイズ(資金調達)イベントを行っていますが、出来なくなったのでファーストフード店のテイクアウトの一部(28%)を寄付して頂けるファンドレイズを探して父兄やコミュニティーに連絡し、またSNSでも拡散して参加してもらっています。
次にロサンゼルス市の状況ですが、3月中から全ての保育園から大学までがオンライン授業対戦になりました。高校の卒業式はキャンセルではなく、卒業生は車で学校に行き、学校の周りをクラクションを鳴らしながらドライブスルーでお祝いをしたようです。学校の周りには学校関係者がお祝いする為に並んでいました。また他の学校はZoom卒業式があったとも聞いております。公立の学校では低所得者家族の生徒には無料で朝食、昼食が至急されるシステムがありますが、オンライン授業体制になりましたが、親が学校へ取りに行くという対応に変更しましたがちゃんと支給されています。アメリカの場合、殆どの生徒がすでに自分の部屋をもっていますから、オンライン授業にもそれほどの物理的場所を確保する必要はなかったようですが、低所得者の家族はパソコンがないので学校から貸出されたようです。
次は一般的な情報ですが、レストランは3月からずっとテイクアウトのみでの営業が許可されています。一時期室外での営業は定められた距離などを守れば良かったのですが、12月に感染者が増えた為に禁止になりました。美容院、ネールサロンも同じような形で現在は営業休業中です。 スーパーはシニアは早朝の特別枠で入れる体制だったり、他は人数を決めて店内に入れたりとかいう予防体制がしかれていますが、3月~4月のような危険意識は感じ取られません。春先は町から人が消えたように道路を走っている車もとても少なく、ショッピングモールに車が一台もとまっていない異常な状態でした。
最後になりますが、日本語学校としては楽しく元気で毎週土曜日のクラスには出席してくれるようにと授業内容を考えて下さる先生方の努力には本当に頭が下がります。この前も校長と提供できないことを悲しむのではなく、出来る範囲で何ができるかに集中しましょうとなりました。私個人してはこの自粛生活を逆手にとって、次に訪れたい観光地を調べたり、DIYをやったりと以前の忙しい生活スタイルよりも「自宅」を楽しんでいます。自粛生活も長期になりそうですが、テクノロジーの進んだ今ですから、家族や友達の顔なども見れるわけですし、そういう点では幸せではないでしょうか。スピード化してしまったこの世の中を見つめ直すいいチャンスではないかと思います。食ロスができるような平和ボケになってしまった私達に見直すいいチャンスをもらえたと思い考えなおす必要は多大です。私は帰国する度に思うのですが、コンビニ、駅ビルのお弁当コーナーを見て、売れ残りはどうなるのだろうか? どうしていつもたくさん作るのだろうか?一生懸命作っても捨てられる為に作るのか?子ども食堂をしなければいけないくらいの現状とどうにかリンクできないものか、特産品、お土産品のお菓子を見てもそうです。地産地消に似たような関係を作れないものかと感じます。 例え、テクノロジーが進んでもやはり直接のおしゃべり、笑顔に勝るものはないですよね。その日が一日も早く来る日を待ち望んでおります。