パートナー通信 No.93
- 1. 2024年5月/No.93(通算109号)
- 2. 報告:30周年記念企画から始まりビッグイベントに!第1回 子どもまんなかフェスタ芦田 朱乃(事務局長)
- 3. 子どもまんなかフェスタ報告② 対談「e-sportsのリアルとゲーム依存」 Aki行政書士事務所 田中友里
- 4. 子どもまんなかフェスタ報告③ 子どもの権利劇場 参上! フェスタ実行委員 清水紅
- 5. 若者世代の投票率を上げるために学校教員ができること
― 意見表明権の尊重と主権者教育 ― 増田 秀樹(公立中学校教諭) - 6. 報告:自治体訪問のとりくみ - ① 群馬県生活こども部との懇談代表 加藤 彰男
- 7. 会員からのお便りパートナー通信No.92の感想など
- 8. 権利委員会 今後の予定
報告:30周年記念企画から始まりビッグイベントに!第1回 子どもまんなかフェスタ芦田 朱乃(事務局長)
フェスタへの想い
「子どもまんなかフェスタ」は、群馬子どもの権利委員会が主催し、子ども食堂や子育て支援等に関わる19の個人・団体が参加して、2月11日(日)に前橋プラザ元気21のにぎわいホールで開催しました。
開催の目的は、こども基本法が施行され「こどもまんなか社会」の実現に向けて群馬でもさまざまな動きが始まろうとする今、子どもも大人も一緒に遊び、体験し、交流することを通して子どもたちの幸せを願う人々の繋がりを広げ、子どもの権利への理解を深め守ること。特に、参加した子どもたちや大人たちが遊びや参加する楽しさ(権利条約31条「休息・余暇・遊び・文化の権利」)を共有することに重点をおきました。
約400人の親子が楽しく遊ぶ♪
当日の参加者は子ども190人以上、大人200人以上でした。開始15分前から入場待ちの列ができ、子どもたちは「早く遊びたい」「楽しそう」と期待しながら保護者に話しかけていました。
オープニングは、ステージで小学生の女の子による開会宣言があり、「こども応援音楽ユニット こども魂」のバンド演奏で始まりました。明るく楽しいリズムの音楽を聞きながら、来場者はそれぞれが気になる遊びのブースに足を向けていきました。
最初ににぎわったのは、群馬トヨペットによるバルーンアート教室、群馬ヤクルト販売によるヤクルト容器での工作とゲーム、JOYキッズによるスイーツデコ工作があるワークショップエリアでした。スイーツデコは、ガラスびんの蓋に紙粘土のクリームを絞り、その上におかしのミニチュアやビーズなどを飾って世界に1つだけのスイーツを作る工作です。どの子も自分のデザインに真剣に取り組み、個性あふれる作品を完成させました。
木のおもちゃコーナーやNPO法人あそびの学校による昔あそびのコーナーでは、隣で遊ぶ知らない子同士がだんだん一緒に遊ぶようになる姿がたくさん見られました。特に昔あそびの皿回しや剣玉では、1人が成功すると、周りで見ていた子どもや大人が「やってみたい」と集まってきて昔あそびに挑戦し、幅広い世代で交流していました。
一方、静かにじっくり遊びたい子どもたちは、折り紙・お絵描き・お話のコーナーに集まっていました。その日初めて会った子どもたちがテーブルの場所をゆずり合い、自分の世界に没頭して作品をつくり、またときどき作品を見せ合ってお互いの世界を共有していました。
子育てに関する相談活動、
子ども食堂体験も
子どもたちが遊ぶ横に、軽く仕切られた相談エリアを用意し、保護者が子どもの様子を確認しつつ専門家に相談できる場所も作りました。群馬中央医療生協の小児科医による健康発達相談、群馬保育センター加盟保育園の園長による子育て相談、NPO法人ぐんま若者応援ネット アリスの広場による不登校・ひきこもりの相談、栗田洋亮弁護士による法律・人権の相談、親子のための保健室®によるネットトラブル・ゲーム依存の相談、NPO法人 学習支援HOPEによる学習・進学相談の6ブースがありました。群馬中央医療生協では握力や血圧などの健康チェックも実施し、特に、なかなか測る機会のない握力測定は大人にも子どもにも好評でした。
また、子ども食堂体験として4つの子ども食堂が軽食を提供しました。メニューは、あつまれ前橋スポット(前橋市)がふかしたサツマイモ、子どもワクワク食堂(安中市)が豚汁、ふらっとこども食堂(前橋市)がおしるこ、みどりこども食堂ふぅ(みどり市)がおにぎりでした。また、企業協賛としてみまつ食品、上毛食品工業、群馬ヤクルト販売の各社から寄付していただいた食品を配布または調理して提供させていただきました。子どもワクワク食堂では軽食提供のほかに釣りゲームも実施しました。スタッフが手作りした折り紙マスコットは、おかしのプレゼントよりも喜ばれました。
子どもの権利の啓発、子どもの意見表明
各エリアでの遊びや相談、軽食提供と並行して、ステージでは、よくある日常風景から子どもの権利を学べる寸劇「子ども人権劇場」(群馬子どもの権利委員会)を発表。LGBTQ、不登校、虐待、学習支援、子ども食堂、発達障害などの問題と、関連する子どもの権利、そして当日のサポートブースを含めそのような問題に直面したときに相談できる支援団体等を紹介しました。
また、会場の一画には子どもの権利条約を学習できるユニセフのパネル展示と意見表明のコーナーを設けました。意見表明では来場者が思っていることを自由にふせんに書き、壁に貼り付けていきました。子どもの意見表明には、「もっとあそびたいよ!」「いっぱい1日中あそびたい♡」「ゲームしたい」「ととろにあいたい」「ガチでやすみがほしい!!」「毎日1時間で学校おわってほしい」「勉強つまんない」「やまにさけびたい」「トミカもっとほしい」などがありました。
ゲームとの付き合い方の対談、
うごキッズ体操
ステージでは、e-sports事業を手掛ける本橋壮太さんとゲーム依存予防に取り組む田中友里さんによる対談、楽しく体を動かしつつ脳と体の連携を強化するうごキッズ体操(吉田大祐さん)の発表もありました。
対談「e-sportsのリアルとゲーム依存」では、積極的に会場から質問を受けながら、ゲームとの付き合い方についてのアドバイスや、ゲームを家族のコミュニケーションツールにするといったアイデアが語られました。うごキッズ体操では子どもも大人もステージ前に集まり、ぴょんぴょん飛びはねたり、腕を大きく回したりと、元気に体を動かしました。
最後に、56名の皆様からお寄せいただいたカンパとさわやか福祉財団からの助成金で予算が40万円を超え、目標を大幅に上回りました。おかげさまで内容豊かなイベントを実施できました。ありがとうございました!