パートナー通信 No.94

世話人会だより 十人十色と言うけれど。 南雲 由美子

 最近、気になっているのに、何気なく使っている言葉「普通だったら〇〇だよね。」自分でも使ってしまうことがありますが、実は違和感がありました。何が普通なのでしょうか?自分が考えていること?自分のレベル?
 「十人十色」という言葉は、古くから使われていることが知られていますが、具体的な起源や初出は明確にはわかっていなく、日本の伝統的なことわざの一つです。意味は、人それぞれが自分の好きなものや考え方が違って、全く同じ人はいない。みんなそれぞれの趣味や意見があって、それぞれの個性を大切にしよう。それはわかっているのに、ひとつのくくりに当てはめようとしていないだろうか。例えば、「普通の主婦だったら、食事の準備があるから、その時間に外出することはできない」という発言。主婦という自分の考えに囚われて、他人の行動さえ否定してしまう。自分の経験からの「普通」という感覚であり、悪気もなく放たれた言葉でも、言われた方は、悲しい気持ちになりますよね。
 2024年7月27日に行われた高崎カウンセリング協会主催、のぞみの園児童精神科医の成田秀幸先生の講演会で「スティグマ」というお話がでてきました。「スティグマ」とは他者や社会集団によって個人に押し付けられたネガティブなイメージや決めつけを言います。偏見や差別です。障がいのお子様をお持ちの方に「もっと大変な子がいますよ」「~ちゃんは全然〝大丈夫″ですよ」など安心させようとしてかける言葉がスティグマになります。「障がい」という言葉の響きに知らず知らずのうちに紐づけされているネガティブなイメージに影響されていることから出てくる言葉で、これも、自分の考えの囚われの1つとだと思います。障がいは「十人十色」の個性です。
 集団行動がしたくないときに「一人でいたい」、話がしたくないときに「話しがしたくない」、そんなに頑張らなくてもいいという言葉に「私がやりたいの、頑張りたいの」と、子どもも大人も躊躇なく素直に自分の思いが言える社会であって欲しい。そんなことに気づかせてくれたのは『群馬子どもの権利委員会』の世話人会の方々です。
 私は、勇気がなくこっそりと生活している人間ですが、お声をかけて頂き、『群馬子どもの権利委員会』に参加しました。そこには、人を受け止めてくれ、楽しくて優しい笑顔の世話人がいました。ぜひ、皆さんも会いに来ていただけると嬉しいです。

かけがえのない いのち、人権、自由を子どもに
群馬子どもの権利委員会
〒371-0026 前橋市大手町 3-1-10 教育会館3階

❤ご意見・ご感想をお寄せください。
URL https://gkodomo.fc2.page/ のメールフォームから、
ファックスご利用の方は Fax.027-235-8876 へ。


inserted by FC2 system