パートナー通信 No.95

2025年2月1日

目次

子ども権利劇場 出前講座 2024ちょっと報告世話人 清水紅

 真っ直ぐに顔を上げて、尋ねてみる。「ねえ、わたし、どうしたらいい?」子ども達の目がハッとして、全員の動きが止まる。
 ここからガチなやりとりが始まる。

 2024年2月11日「子どもまんなかフェスタ」にて(群馬子どもの権利委員会主催)「子どもの権利劇場」を立ち上げ、前橋市の出前講座に登録。そして、11月に2度「子どもの権利劇場講座」が呼ばれた。まあ、ちまたにデビューした、ってことっすねー。
 今回、群馬子どもの権利委員会の講座、「子どもの権利劇場」が何をやっていて何を目指しているか報告する。

「YES, NO, こころちゃん」小さな紙の代弁者

 犬が好き。遊ぶの大好き。ピーマン美味しい。虫は好き?宿題は好き?みんなの前でお話しするの好き?

 小さな長四角の紙、こころちゃんに顔を描き、その擬人化された「私」が、YES、前にぺこり。NO, 後にのけぞり。何気ない質問に答えてゆく。ワイワイガヤガヤな導入の一幕、みんな、一人一人、それぞれ違う気持ち、こころがある、それを言っていい。伝えてほしい。

子どもの権利カルタ・実践と理解

 聞き慣れない言葉など、噛み砕いて説明しながら権利カルタを進行する。大人も子どもも一生懸命遊び、嬉しい、悔しいを身体いっぱい表現してくれる。最後には気になったカルタ、好きなカルタを紹介しあう。それはその子の心のありようだ。「きみも大切、ぼくも大切」

 先日、前橋市の小学校での講座で先生が選んだカードは「疲れた時はゆっくり休もう」。大きな声で「これが一番良い!」って興奮気味に紹介していた。むむむ…心の声がダダ漏れております…

子どもの権利劇場・みんなで考えよう

 膝を抱え座り、うつむき、暗い声でつぶやく。「学校でいじめられてるの。みんなにはぶられて誰も口を聞いてくれない…、本当に毎日辛い」

 そして、冒頭の場面へ続く。真っ直ぐに顔を上げて、尋ねてみる。「ねえ、わたし、どうしたらいい?」子ども達の目がハッとして、全員の動きが止まり、ガチなやりとりが始まる。すると、子ども達が次々と手を挙げて助言してくれる。

 ホワイトボード右側に書き留める、子どもの発想、見解に忘れていた気づきがたくさんあった。小学校1年生が「ヤダって言う」と、第一声。簡単なこの一言にまずぶっ飛ばされた。いゃあ〜、やっぱり子どもの力ってすごいな。

子どもの権利・子どもが幸せに暮らし元気に育つため必要なこと

 左側には「子どもが幸せに暮らし元気に育つため必要なこと、子どもの権利」と貼り出しておいた。

 講座のお終いに、みんなには権利がある。大切な命なので大事にして。必ず誰かに話そう。みんなが君を守るよ。と、話し、いじめやその他子どものSOS全般、子どもや保護者などが24時間相談できる、文部科学省運営「24時間子供SOSダイヤル」の電話番号カードを渡す。0120-0-78310なやみいおう

上毛新聞 三山春秋・その通りだぜ

 「群馬子どもの権利委員会はかるたを通じて子どもの人権について学ぶ活動を実践。出前授業も受け付ける。地道な取り組みが世の中を動かすこともあるはずだ。」
 上の三山春秋2018/9/3の記事を見つけた。上毛新聞さん、その通りなんだぜ。子どもの権利劇場出前講座は確かな手応えがあった。世話人関口さんの考えた様々な技法でみんなの気持ちがギュッとなった。子どもだけでなく、周りの大人も一生懸命聞いて学んでいた。もっと子どもの権利を知りたい人はたくさんいるはずだ。2025年も地味〜な取り組みをやってやりましょう。

子どもの権利 101
ざっくり予習・復習

1989年11月20日 国連で採択
子どもの権利条約54条文で構成
11月20日は世界子どもの日 World Children’s Day
現在196国、地域が締約してる
1994年日本も批准・同意(158番目、去年で30年経ってるな)

基本的な権利4つ
生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利

4つの原則
 日本の子どもに関する基本的な法律「こども基本法2023年4月」にも取り入れられた。子ども大綱2023年12月22日

2条 差別の禁止(差別のないこと)
 すべての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障される。

3条 子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)
 子どもに関することが決められ、行われる時は、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考える。

6条 生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)
 すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障される。

12条 子どもの意見の尊重(子どもが意味のある参加ができること)
 子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮する。

んで、結局のところ日本は何が問題でどうしたら良いんだ?

知らんがな

 日本も仲間入り30年だけど、分かってる人、ほぼいなーい。内容まで知っている大人2.2%、子ども8.9%(2019セーブザチルドレン調べ)
 書いてあるだけじゃダメ。子どもの権利を学び、知り、一緒に取り組む仕組み作りが必要。大人が率先して守り、実行し、子どもとの関係に活かすよう毎日子どもと関わっている大人達、頑張って勉強してくれよ。
 自治体、親、施設職員、学校の先生、医療関係者、地域の人たち、メディア・テレビ番組、インターネット配信、YOUTUBEなど作っている大人、ってことは、国民全体ってことですかな。

だいじょぶ なんかーい?
 日本は欧米に比べ大人が子どもを管理・支配しすぎ。
 OECD(経済協力開発機構)の中で精神的な子どもの幸福度、最下位から2番目、(2020ユニセフ調べ) 日本の小中高生は1週間で約10人自死している(2024/4キッズドア調べ)って、もう、マジすか。

反映、具現化されにくい子どもの意見

 政治、学校、家庭、子どもの意見は反映されにくい。世界では年齢に関係なく自分の声が社会に影響を与えることができると教育してる。

大人こそ 子どもに聞け

 小さな気づき、疑問や違和感、それぞれの経験から子どもだって意見があり、決断して行動できる。改善してほしいことなど、大人と話し合い交渉する能力がある。大人は子どもの意見をまず受け止める練習だ。

誰でもわかるように決めておく・以下実現させたいこと(含 願望)

 子ども会議、子どもの権利条例(まずは前橋市から)、子どもの権利オンブズパーソン、子どもの権利コミッショナー制度

群馬子どもの権利委員会としては(含 要望)

 子どもの権利ワークショップ、子どもの権利講座、子どもの権利カルタ、子どもの権利劇場などの出前講座、まずは世話人がコミッショナーとなり地域で活動、子どもまんなかフェスタをやり続ける。2025年も一歩でも進む。会員、世話人募集中。

ユニセフ、アンケートと報告

これ ↓ 群馬子どもの権利委員会でやってるよ!!

 子どもの権利条約を締結(批准)した国は、法律を作り、政策を実施するなどして、条約で定められた権利が実現するようにしなければなりません。5年ごとに、条約を実施するためにどのような取り組みを行ったか「国連子どもの権利委員会」に報告し、委員会は報告書を審査、改善に向けた助言を行います。

つぶやき

 小学校や、子どものいる所へ行くといろいろな子がいる。こども食堂で会う子ども達、みんな平和な日本で笑顔で生活してほしい。色々あるけど、日本に生まれて良かったし、元気で活動することができて毎日楽しい。群馬子どもの権利委員会の会員様、世話人様、2025年も健康で過ごしてくださいませー。


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