ブックレット『こはるでよかった』
『こはるでよかった』
2010年度群馬子どもの権利委員会定期総会
第2部学習交流会 講演記録
講師:飯塚祥則 先生
(A5版・79ページ)
『田中の家に犬がくる』に導かれて
2010年5月22日、群馬子どもの権利委員会総会の第二部学習会で、飯塚祥則先生にご講演いただきました。後日加筆修正されたお話の内容をここに講演記録としてまとめさせていただきました。
この講演会を成功裏に導いてくれた発端は、一冊の本との出会いでした。飯塚祥則著 本の泉社『田中の家に犬がくる』です。そこには自らの子ども期を全身で謳歌する子どもたちの声があります。日常生活のありのままを、おおらかに切々と訴えている姿があります。飯塚先生はそのありのままの姿を共感とともに受け止め、先生ご自身の悦びや悲しみや励ましの気持ちを評語として子どもたちへ返しているのです。
子どもたちと担任の先生の醸しだす時間、その空間の中に魂のキャッチボールの心地よさを感じます。
子どもたちと大人がともに対等な人格を持った主体者として、パートナーシップを築いていく関係を、何よりも子どもの声をよく聞き、子どもの最善の利益を保障するよい関係作りをと願い、そのことを活動の主軸に据えてきました。
しかしながら、具体的に子どもたちとの接点や交流を持てずにはがゆい思いをするのが現実でした。そこで、この本の中に脈々と流れる子どもの権利条約の神髄とも思えるエキスをたっぷりいただきたいと思い、先生にご講演をお願いいたしました。
私達は、お話の中で、こはるちゃんはじめたくさんの子ども達に出会うことができました。特に、小さい時からいろいろな症状の出る程苦しいことの多かったこはるちゃんは、一年生の終わる頃には「こはるでよかった」と心の底から自分のありのままを肯定する作文を書くまでに成長していきます。
飯塚先生は、「その子はその子になるために生き続けている」「自分は自分自身になっていくことが一番の幸せにつながるのでは」と、おっしゃいます。
全身震えるような感動と共に深く胸に刻みたいと思います。
群馬子どもの権利委員会 世話人 小林美代子
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