子どもの権利条約に関する第3回市町村アンケート(2)
2.条約の広報と職員の研修
(1)国連勧告に関して県からの情報や通達があったと答えたのは、前回のアンケートでは4町村ありました。今回はすべての市町村が「なし」か「不明」です。県が周知を怠っているのは明らかで、今からでも通達を出すなどして周知に努めるべきでしょう。
国や県からの情報や通達のかわりに、多くの市町村はインターネットやマスコミから情報を得ています。このアンケートで初めて国連勧告のことを知り、おそらくは関係方面のホームページにアクセスした場合も、高崎市など3市6町ありました。
(2)市町村が行う住民への広報についても、国連勧告はおろか、子どもの権利条約自体を知らせ広めることもけっして活発とは言えません。しかも、人権問題全般の中で行っている場合が普通です。なんらかの広報を行っている市町村は約35%、前回の約27%からは上昇しましたが、第1回の約35%と同じレベルに留まっています。
その中で、藤岡市が「子ども自身の人権意識の普及・高揚のために」人権作品の募集事業を行っており、注目されます。下仁田町も人権尊重標語・作文・ポスターを小・中学生に募集していますし、高山村では全村民対象に人権標語を募集しています。
住民への広報が低迷しているのはまことに残念です。子どもの人権や権利に対する住民の意識をもっと高めるために、市町村当局はいっそうの努力を払うべきでしょう。また、学校教育だけでなく行政が直接子どもへの広報に力を入れることも必要です。
(3)学校関係職員に対する研修は、人権教育全般の研修として約64%の市町村が実施しています。前回は約54%、第1回約37%でしたから、明らかに前進です。社会教育職員の研修も約38%が実施、前回は約22%、第1回はほぼ皆無でした。民生児童委員の研修は今回初めてお訊ねしましたが、約15%(2市2町)の実施でした。
研修の前進は喜ばしいことですが、前回は4市町村、第1回は3市町村で子どもの権利に特化した研修が読み取れたのに、今回は2町村のみです。その1つ榛東村では、夏休みに全行政区で子どもの人権啓発ビデオ「桃色のクレヨン」の視聴会と話し合いを実施し、総計子ども461名、大人388名が参加しました。子どもの権利条約と国連勧告を学習する機会を、各市町村が研修のなかにぜひ取り入れていただきたいと思います。