子どもの権利条約に関する第3回市町村アンケート(2)

3.子どもの意見表明と社会参加

 子どもが思いや願いを自由に言えるように、各市町村ではさまざまな工夫をこらしています。前橋市は各学校に意見箱や相談箱を設けていますし、沼田市は行事などにアンケートを実施しています。教育相談員を配置している市町村もいくつもあります。注目したいのは授業改善を重視する藤岡市や川場村のような姿勢で、「授業の中で自由に発言できる雰囲気」をつくり、「自分の意見や思いを発表できる基本的な能力」を養うのです。
 「子ども議会」や「市長と語る会」を設けて、子どもたちに意見表明の場を提供している市町村は、前回約24%,第1回は約16%ありました。今回は特定してお訊ねはしませんでしたが、それでも約19%(高崎市など4市1町)が「子ども議会」や「少年の主張大会」などを開催していると答えています。少数ながら試みられているのでしょう。
 しかし、実際に子どもセンターや児童館などの建設や運営に子ども自身が関わっている例は、前回同様ほとんどありません。児童館などの施設がない場合が多く、児童館が廃止の方向に進んでいるところもあります。その中で前橋市は、新しい児童文化センターを構想する段階から子どもたちの希望や願いを収集し、基本計画に反映させています。また、太田市もそうですが、アンケートをとって運営に活用しています。
 子どもの意見表明権は子どもの権利条約第12条に明記されている重要な権利で、国連の第3回勧告でも引き続き「子どもの意見の尊重」と題する項目を設け、「すべての場面において、子どもに影響を与えるすべての事柄について、子どもがその意見を十分に表明する権利を促進するための措置を強化すること」を日本政府に勧告しています。
 子どもが自由に意見を表明できる能力や場所を保障することはもちろん大切ですが、大人がその意見を尊重しなければ意味はありません。また、子どもに関わる施設や行事の計画や運営に子どもが参加できるようにすることも、意見表明の重要な保障となります。

アンケート

Posted by gkodomo


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