パートナー通信 No.42
2010年度定期総会(5/22)特集<第1部:「議案」から>
1 『基礎報告書・英語版』と『統一報告書&サマリー版』
国連子どもの権利委員会の審査に向けた群馬からの『基礎報告書・英語版』が、新英語教育研究会群馬支部の協力を得て、09年11月に完成。「第3回市民・NGO報告書をつくる会」の『統一報告書・英語版』と共にジュネーブ国連子どもの権利委員会へ送付された。「第3回つくる会」は『統一報告書』の提出に先立ち、その『サマリー版』を作成し国連に送付した。群馬子どもの権利委員会では09年12月、10年1月・2月の3回にわたって「サマリー版公開学習会」を開催した。国連子どもの権利委員会は10年2月に予備審査、同年5月27・28日に本審査を行った。(私たちの定期総会後、国連子どもの権利委員会は6月11日に日本政府に対して、91項目におよぶ「第3回最終所見(懸念事項)・勧告」を採択した。)
2 『第8回群馬保育のつどい』
「第8回群馬保育のつどい」(09年5月31日、伊勢崎市境総合文化センターで開催)では、「平和」分科会と「子どもの権利」分科会を合同開催の形で担当した。前橋協立病院院長・深沢尚伊(小児科医)先生の講演『日々の生活の中で「平和と権利」を』をお聞きした。深沢先生は「最初から戦争や暴力を“悪”として教え込むのでなく、今の社会のどういうことが悪く、どういうことが良いのかを、自分で考えられ、自分で主張できる、そういう力をつけて欲しい」と語られた。
3 地域の活動との交流
石橋先生の「作って遊ぶ楽しい出前授業」で、石橋・小林両世話人が館林市の「桃の木保育園」を訪問した(09年6月19日)。原口園長の「水を使った授業を」の要望に答えて、『浮沈子であそぶ』がメイン。大きなペットボトルの中を泳ぐ魚(魚型の小さな容器)が「浮いたり・沈んだりする」遊びに、子どもたちが挑戦した。遊びながら「なぜ」と考え、考えては工夫する…遊びは学びである。
4 『第44回家庭科教育研究者連盟(家教連)夏季研究集会in前橋』
09年8月3日~5日、前橋市で開かれた「第44回家教連夏季研究集会」の最終日、特別報告「群馬子どもの権利委員会の活動に学ぶ」で、私たちの活動を紹介する機会を得た。 大浦代表から、「子どもの権利条約」の基本精神、「群馬からの基礎報告書」を紹介。小林世話人から、「こどものけんりカルタ」づくり、保育園の子どもたちとの「絵カルタ」づくり、「乳幼児の意見表明権」などを報告。石橋世話人のワークショップ「子どもになって作って遊ぶ」では、先生方も「ガリガリトンボ」や「ビュンビュンごま」作りに、子どもになって大喜び。
5 『子どもの権利の実態と貧困化について考える教育集会(仮称)』に向けた取り組み
日本政府に対して国連の「最終所見(勧告)」が出されるという情勢のなかで、私たちは、「教育ネットワークぐんま」に『統一報告書・最終所見(勧告)を学ぶ学習会ないしは講演会』の開催を提起した(09年12月18日)。「教育ネットワークぐんま」では、それ以前から子どもをめぐる貧困の問題も意識されており、様々な議論を重ねて10年9月11日(土)、前橋市総合福祉会館において標記の県民集会を開催すると決定した。現在、企画・準備を進めているところである。
6 会員拡大の取り組み
08年3月末の会員数は166人にまで減少していた。組織担当・藤井世話人の大奮闘で10年3月末で419人と飛躍的な拡大を達成した。新たに入会された方々や地域の様々な活動との結びつきを深める活動を作り出していく必要がある。
7 取り組みの弱かったこと、取り組めなかったこと
「子どものけんりカルタ」改定、ポスター作成、自治体に対する取り組み、若者サポートなど。
II 2010年度「活動方針」
A 基本理念にそくして
- 子どもの権利、とくに意見表明権を守り育てる。子どもたちがさまざまな形で自分の思いや願いを表現できる場を保障するように努め、その子たちを励ましていく。
- 子どもの状況を知る。からだの状態・あたまの発達・食事・遊び・学習・貧困や虐待の問題など、保育園・幼稚園・学校・家庭で子どもたちの事実・実情をつかむ。
- 子どもと大人がいい関係性を構築できるように努力する。子どもの意見にすすんで耳を傾け、子どもの状況を理解して行動するよう、大人たちに促していく。
- 子どもの意見を実現し、子どもを取り巻く状況を改善するために行動する。会員の声やアンケート調査などを生かし、県当局や県内自治体との話し合いを進める。
- 「子どもの権利条約」と「第3回国連勧告」の普及と学習を推進する。それを通して子どもの状況や子どもの意見を日本政府の政策に反映させるよう努力する。
B 活動経過をふまえて
- 「第3回国連勧告」の普及に努める。関連して県内市町村にアンケート調査を行い、県当局と県内自治体を訪問して、子ども行政のいっそうの改善を求めていく。
- DCI日本支部との結びつきを強化し、「第3回市民・NGO報告書をつくる会」にひきつづき積極的に参加する。「第3回国連勧告」の学習にも幅広く取り組む。
- 「教育ネットワークぐんま」に積極的に参加する。そこに結集する諸団体や研究所との連携を深め、本年9月に予定される全県的教育集会にも主導的な役割を果たす。
- 来年3月に群馬で開催される予定の民主教育研究所主催「第19回全国教育研究交流集会」に積極的に協力する。分科会を担当する可能性も追求する。
- 保育園・幼稚園・学校などの教育現場と連携する道を探る。とくに保育園への訪問活動を継続し活発化する。遊びの学校など子ども文化の創造にも積極的に協力する。
- 群馬保育問題連絡会主催の「群馬保育のつどい」にひきつづき参加し、保育関係者との連帯を広げ深める。子どもの権利委員会の参加の仕方についても検討を続ける。
- 「群馬県青少年健全育成条例」への警戒を強め、「児童生徒支援カルテ」の導入計画も見守りながら、子どもの権利を不当に侵害することがないよう監視していく。
- 機関紙『パートナー通信』の年4回定期発行を守り、内容をさらに充実させて、一般会員と世話人会、ならびに会員相互の理解と交流をいっそう進める。
- 改訂版『活動の紹介と入会案内』を活用して、会員拡大の行動をいっそう強化する。ポスターの作成もさらに進めて完成し、その活用をはかる。
- 会員の知恵を集めて『子どものけんりカルタ』の改訂に取り組む。この取り組みを通して、さまざまなカルタを会員や子どもたちといっしょに作る運動を進める。
- さまざまな場で行ってきた権利条約と国連勧告の学習を発展させる。市町村を拠点としたグループの学習会も、できるところから組織するよう努力する。
- 高校生たちの自主活動を援助する。また、教育裁判を見守り、必要な支援を行う。とくに、農大二高裁判の職権和解で得られた成果を発展させるよう力を尽くす。
III 2010年度「役員」
大浦暁生(世話人・代表)
田部井三郎(世話人・副代表)
加藤彰男(世話人・事務局長)
小林美代子(世話人・会計)
石川憲彦(世話人)
八木清江(世話人)
金田倫光(会計監査)
石橋峯生(世話人・副代表)
河崎清松(世話人・副代表)
藤井幸一(世話人・組織)
茨木邦子(世話人・会計)
高橋清一(世話人)
阿比留とき子(世話人)
萩原 慧(会計監査)