パートナー通信 No.46
2011年度「定期総会」第2部報告 「わたしの思い話します 子どもも大人も」に参加して
高山 美枝
「5月21日面白い実験するところに行ってみる?」
「絶対行く!」
この企画のお話を頂いた時の私と咲来との会話。
実験とか好きだけど、作文を皆の前で咲来が言えるのか、咲来が発表している姿がちっとも想像できないし、まあ、発表はないなぁ・・。と私自身が決めてしまっていたのもあって、作文について話したのは当日21日の2日前でした。
「咲来って好きな作文ってあるの?」
と、さり気なく聞くと
「うん。あるよ。宿題がゲームだつたらいいのにってやつ。」
と。あぁ。『田中の家に・・・』の中にその作文あったなぁと本を手に取りパラパラと一緒に読んでみました。
「どして、この作文が好きなん?」
「だってゲームが宿題だったら平和ぁぁぁぁーーー。そしたら、お母さん、DS(ゲーム機)買ってくれるでしょう?買ってくんなかったら咲来、毎日宿題忘れだよ。」
随分前から「DS買って」と寝言でも言うほどで 私の方がうなされそうですが、決まった時間内で終了できるかとか もう少し自己管理ができるようになってから持たせようと主人と決めたのです。
「ねぇ、今の話、実験する日に発表してみない?」
「なーんでー?」
「なんかさっ。子ども達がどんな作文が好きなのか、ちょっと聞いてみたいって」
「だれがー?」
「ん・・・・んと。まあ飯塚先生なんだけどさっ。ムリじゃないって言ってたから、咲来はいいよ。」
飯塚先生のせいにしちゃえば、すみません。私が楽でした。
すると『田中の家に・・』の本にナント直にこの作文が好きな理由を書いちゃってるではありませんか。
この入手困難な貴重な本に何てことを・・・と思いましたが何だかんだ言って 読む気なんだなぁ。と私もニヤッ。
しかし当日。
「やっぱり読むのやーめた」と。
「じゃ、帰ってから、やっぱり読めば良かった。は言いっこなしね。」
そんなこと言いながら、でもせっかくだから楽しもうね。
なんて会場へ向かいました。
会場内は大勢の人と、子ども達が楽しみにしている実験に備えて持ち寄った空き缶や葉っぱ、お花やビーズが広がり、ワクワクした雰囲気。
空き缶の中にビーズや葉っぱを入れて・・・・
完成はこの後のお楽しみ。ということで、いよいよ 私の思い話しますの会場となる隣の部屋へ全員移動。慌てて移動をする子供達の中に紛れて、咲来が
「お母さん。本。本。」
と 私のカバンの中から『田中の家に・・』を持って飯塚先生の前に座りました。
飯塚先生が、先生みたいに(笑)子ども達と話す姿を初めて見たので、私は「オォー。」って感じでした。
とにかく面白い。木の部屋での飯塚先生よりも、もっともっと面白い。
全身で子ども達とコミニュケーションをとる姿には、本当に引き込まれます。
そんな盛り上がりの中、前に座っていた咲来が私のところに来て、
「やっぱり読まなくていい?」
「いいよー。ムリじゃないんだから。」
それを聞くとまた戻り、またやって来て、
「飯塚先生、「咲来ちゃん」て、咲来のこと指すんかい?」
「指さないよ。指されたら読みなよー」と。また戻って行く。まったく読むか読まないかでこんなに悩むものなのでしょうか。
こんなに悩むんだったら「一番に読んでしまいな。」と本当に言いたい。
「一番に言う人?」との飯塚先生の声に「三番なら言う!」と元総社小の店網君の大きな声。
まずは、と飯塚先生がクイズ形式で作文を読むと どんどん子ども達がリラックスして、テンションも上がっている様でした。
約束通り店網君の発表。自分でお友達のことを書いた面白い作文でした。
ここまでだって、リハーサルがあったわけでも、台本があったわけでもない。先生と子ども達との信頼関係の強さが目に見えた様でした。
咲来もどうにか発表できました。発表と言うよりは飯塚先生と遊んだ感じ。なので私もどきどきせず聞けました。
それから元総社小の二人のお母さんの温かいお話。
そんなほっこりとした雰囲気の中で、「じゃ、高山さん。」って飯塚先生。そりゃないですよ・・・空耳んと思いました。何で私に振るかな・・・まったく余分な事を・・・・と思いつつ前に出てしまう自分が怖い。
今回ばかりは何も用意してなかったものの、私の好きな「死体ごっこをしたこと」を読ませて頂きました。
突然のことで、この作文が好きな理由もなんにも言えなかったのでこの場を借りて。
(「死体ごっこをしたこと」は『田中の家に・・』の20ページ参照)
私が、この作文が大好きなわけ。
暇だから死体ごっこをやろうと思ったというたくや君の発想が、まず大好き。
それを二時間もやるたくや君が好き。
死体だから動けないという忠誠心が好き。お母さんが怒りもせず「バカたくやだ」と言う親子関係が好き。
死体になり切っているたくや君に飛んできた鳥がスズメとかじゃなくカラスだったことが最高。それも4羽もってところがたまりません。
もうこれは、上方落語の笑いの域だと思うからです。と、言いたかったです。
元総社小のみんなのことは、飯塚先生と作文を通して一方的に私が知っているというだけだけど、先生とのやり取りとか 鬼ごっこをしている姿が、本当に子どもらしく私の目に映りました。
世界中の子ども達が、この日、ここに参加している子ども達の様に、心も体も元気いっぱいになってほしいなぁなんて思ったりして。
光の実験も、たぶん大人達の方が大声で「キレイ」って叫んでいましたよね。万華鏡とはまた違って自然の日の光の屈折がとてもキレイでした。
とても楽しい二時間でした。
もっと書きたいこと沢山ありますが、きっと他の人も書いてくれるでしょうから私はこの辺で・・・・。
そうそう。福島さんが読んでくれた「うしが・・」の作文。帰ってから「お母さんも読んで。」って咲来に言われて、「もー。」って読むんですけど、私、正真正銘「丑年」なんですけど、福島さんのようなリアルなうしに近づけず、苦戦しています(笑)
※ 実際のパートナー通信では、縦書きです。