パートナー通信 No.56
自分が自分らしくいられる場
-足利っ子わいわいフェスタに参加-
足利っ子わいわいフェスタ実行委員会から、昨年11月3日のフェスタに「子どものけんりカルタ」を持って参加しませんか、とお誘いを受けました。新版「子どものけんりカルタ」の印刷を急いでもらい、とりあえずケース無しの10セットを持って、世話人の石橋、小林、加藤の3人が足利市民プラザに向かいました。
11月の穏やかな日差しに包まれた会場は湧き出たように子どもたちで溢れて、本当に「わいわい」でした。受付を通るとすぐに「ハローキッズワーク」の看板。子どもたちの目は「求人票」を真剣に追っている。お店で働くとお給料がもらえる。納得の仕事が見つかれば次は「わいわい銀行」へ。わいわいフェスタにだけ通用する「わいわい銀行券」に両替して、子どもたちのお店、おとなの模擬店へとお祭り気分。
フェスタ事務局長の案内を受けて向かった「カフェえがお」には、畳にカーペットが用意された『子どもの権利カルタ』大会コーナーとボランティアの中学生さんたちがお出迎え。子どもたちが顔をのぞかせるとすかさず「カルタで遊ぼう!」と呼び込み。フェスタの子どもたちは好奇心旺盛。条約の心がちゃんと伝われ、と発声にも思いを込めて読み上げ始めると、子どもたちの手が一斉にカルタの上に。すると、年上のお姉ちゃんが「手は頭!」と小さい子への配慮もしてくれる。
苦心してつくったショートバージョンのリズムは子どもたちの呼吸にピッタリ!子どもたちの素早い動きに押されるように、読み上げるほうもなんだか嬉しい気分になってしまいました。
(報告:加藤彰男)
❤このフェスタにずっと参加されている吉田祐一郎さんからカルタへの感想が寄せられました。❤
今回、足利っ子わいわいフェスタの際に見せていただいた「子どものけんりカルタ」の活動に賛同し、カルタをお分けいただきました。私は子ども福祉に関する研究を専攻しており、特に子どもの権利普及に注目して研究を進めています。その中でこの度、群馬子どもの権利委員会の皆様により新調されたカルタを拝見し、このカルタに参加する子どもたちの姿を見たことから、子どもの手や心に届く素晴らしいカルタを制作されたと感じました。
後日、カルタを所属している大学で保育を学ぶ大学生に見せたところ、学生からも子どもの権利条約の内容が子どもにも分かりやすく伝えられそうといった声や、カルタのイラストにも工夫が凝らされているという意見、本のカルタの文化も同時に子どもに伝えることができそうなどの意見があり評判が良かったです。これらの学生からの意見を踏まえた上で学生とカルタなどツールを活用して子どもたちに分かりやすく子どもの権利を伝えていく必要性についてディスカッションを行いました。"子どもの権利"について、まだ社会の中で子どもたちや市民に普及するまでには時間がかかる現状であると思います。しかし、カルタの中の言葉を借りて説明すると、子どもの権利とは「(わ)わかってほしい子どもの心」の一言に尽きると思います。そのためにも今回のカルタを介して子どもの心に気づく視点や、子どもの権利意識を高めるために一役買ってくれることを期待しています。
吉田祐一郎さん(社会福祉士)
(四天王寺大学 人文社会学部人間福祉学科講師)
子どもの権利条約の実践の場
~ 足利っ子わいわいフェスタ
足利っ子わいわいフェスタ事務局長 タッシー
足利っ子わいわいフェスタ(第1回は2005年11月23日。その後は毎年11月3日開催)は、前身の「八木節・YAGIBUSHI子どもまつり」と足利市学童保育連絡協議会「ザ・GAKUDOまつり」をミックスした、子どもが主人公の新しい文化フェスティバルです。
小学生を中心とした子ども実行委員と子ども支援を担うおとな実行委員が、多様なアイデアを出し合い試行錯誤しながら9年続いてきました。長続きの秘訣は「子どもの権利条約の実践の場」として子どもたちのエネルギーを結集する努力をしていること。
そうは言いながらもお祭りなので、理屈抜きに楽しいことです。子どももおとなも「やりたいことができる」という自由さが魅力です。
一輪車で青空ステージに出たいと思えば、仲間を誘ってチームを作る必要があります(結社の自由)。曲はどうする、どんな演技をする、衣装は?いちいち話し合います(意見表明権)。習い事などで忙しい子どもたちですから練習時間の調整も大変です。
開催に30~40万円かかりますので有料(前売200円、当日300円)なのですが、毎年1000人以上が参加するという奇跡的なイベントです。
単年度で赤字の年もありますがトータルで黒字をキープしています。 単発で「ケロポンズコンサート」「谷川俊太郎・谷川賢作コンサート」を主催したときの収益もあり、余裕のある財政運営をしています。(これは主催者の心の余裕と自信にもなっています。)
会場は足利市民プラザです。青空ステージ、子どもたちのお店、おとなの模擬店、カフェえがお…子どもの権利条約関連の展示や子どもの声を聴くアンケートや対話、「自由工作ルーム」など。その他毎年特別企画があります。2013年は、群馬子どもの権利委員会の協力を得て、子どもの権利カルタであそぶコーナーが実現できました。ありがとうございました。
わいわいフェスタにはいろいろな特色があります。その1つが「わいわい銀行」…フェスタ内で使用するわいわい銀行券と円を交換します。お店屋さんごっこの葉っぱのお金と地域通貨の考えからヒントを得ました。次に「ハローキッズワーク」…子どもの職安です。働いてお給料をもらうことができるしくみです。30分で100円相当のわいわい銀行券がもらえるので人気です。遊ぶだけでなく働くことも大切にしているお祭りです。中高校生ボランティアが毎年50~70人も参加してくれます。
すべての中学・高校を訪問し、募集ポスターを全クラスに掲示してもらい、担当の先生を通じて申し込めるようにしています。フェスタのチラシは、教育委員会を通じて全小学校児童に配布されます。幼稚園・保育園の年長児への配布のお願いは個別に行い、中学・高校はクラス掲示です。
たくさんの感想が寄せられ、これが実行委員の喜びでもあります。
❤青空ステージで緊張してドキドキしたけど、拍手をしてもらってうれしかった(小学1年生)/青空ステージのロックソーランと沖縄の踊りに感動しました(幼児を連れたお母さん)/自由工作ルーム楽しかった!(作品を持って帰る幼児)/お金が儲かるから楽しい(お店の子ども店長)/働いてお給料がもらえるからうれしい(常連の子ども)/子どもたちが能動的で一生懸命なのがいいね。他では見られないよ(退職教員)
6年前に子ども実行委員長をりっぱに努めた子が学童クラブに来て「大学が決まったよ。来年のわいわいフェスタは手伝いに来るからね」とうれしい報告。わいわいフェスタを経験した子どもたちがおとなになって各地で活躍してくれることを期待しつつ、10周年記念をめざしていきます。
お問い合わせは FAX:0284-42-8616
または090-8444-8079 タッシーさんへ。