パートナー通信 No.72
つくる会 『統一報告書』(英語版)
国連に提出 事務局長 加藤 彰男
『統一報告書』が訴えていること
「子どもの権利条約市民・NGO報告書をつくる会」は、昨年11月1日、国連子どもの権利委員会に市民サイドからの統一報告書『日本における子ども期の貧困化-新自由主義と新国家主義のもとで』(英語版:283ページ)を提出しました。
日本語版はこれから発行されますが、「つくる会・会報」に紹介された統一報告書の「はじめに」から、何カ所か引用させていただきます。
◆この間進められてきた新自由主義的・新国家主義的政策のもとで、条件整備における公的責任の放棄と民営化・企業化が進み、私費負担は増大し、格差貧困は広がり、社会と学校の競争と自己責任論は子どもの生存と成長の環境に大きな影響を与え、子どもの権利の侵害はより大きくなっている。
◆社会全体が抑圧的になり、過度な競争環境のもとで、子どもの人間的な成長・発達が歪められ、子どもたちは、幼児期から親の目を気にし、幼児保育の学校化が進み、学校では学力テストを意識し、自分のだけでなく、クラスと学校の順番を気にし、仲間はずれにならぬよう気遣う。そこでは主体的な学びの権利と自由な遊びの権利が奪われていく。またそこからくる抑圧的心性は、ときに外へときに内へと向かい(いじめ、自殺)自分自身の充足感(well being)がもてず、豊かな内面を育てる自由な空間と時間と人間関係を奪われている。
◆このことは、いじめ、体罰、虐待、不登校、のデータが示すものだが、政府報告にはこれらのデータは示されず、子どもの貧困の視点は無視されている。
のみならず、これらを引き起こす原因とかかわって貴委員会がこれまでくり返し示してきた「過度な競争的システム」に対する懸念に対して、このような「認識を持ち続けるのであれば、その客観的根拠について明らかにされたい」と述べていることは、日本政府の国連軽視の姿勢の現われとして、憤りを感じると同時に、子どもの権利侵害にかんする事実認識の欠落、原因究明の必要性への無感覚、挙証責任の理のない転嫁を示すものと言わなければならない。
皆さんはどのように受け止められますか。国連子どもの権利委員会の審査会期は今年の9月になると予測されています。
『基礎報告書』作成へのご支援に
感謝申し上げます
会員の皆さんには、すでに『基礎報告書』をお届けしてありますので、目を通していただけたと思います。いかがでしたでしょうか。
昨年夏から、作成に当たりまして皆さんに財政的なご支援をお願いいたしました。たくさんの方がたからご支援をいただき、昨年12月末までに総額27,000円をお寄せいただきましたので、ここに報告して、改めて心より御礼申し上げます。
国連に届けられた統一報告書につながる群馬からの基礎報告書ということで、さらにいろいろな場面で活用してまいりたいと考えております。
会員からのお便り 
- ❦ 『パートナー通信』No.71の世話人会だよりの今村さんの文章にぐいぐいと引き寄せられました。 忖度無用。大人も子どもも、しっかりと意思表明できる社会にして行きたいと確信させられました。 子どもを守る意志は万人はもつべきイデオロギーです。
倉林 順一さん(高崎市)
- ❦ こども食堂の出発おめでとうございます。楽しそうですね。いろいろ壁はあるでしょうが、未来にむけて絶対必要なものですもの。
自覚した大人が、未来のために力一杯かかわっていかなくてはならない活動。
私にできることはわずかですが、私のできることで参加していきたいと思っています。
花岡 麻子さん(前橋市)
子育てシンポジウムのお知らせ
2018年2月18日(日)1:30から
昌賢学園まえばしホール4階「第5会議室」