Ⅱ 小学校の現場から 5 持ってくる鉛筆の数まで決めるのが教育?
匿名希望(小学校教諭)
先日、小学校の職員会議で、生徒指導担当の先生から次のような提案がありました。
- 子どもの持ってくるえんぴつの本数は何本か?
- 下じきはどんなものがよいか?
- シャーペンはもってきてよいか?
- キーホルダーはかばんにつけて来てよいか?
など、持ち物やその他の生活についての細かな提案でした。これらのことについて、真面目に論議を長時間し、こと細かに決めました。例えば、
- えんぴつの本数は5本~7本にする。
- シャーペンは学校に持ってきてはいけない。
- キーホルダーはかばんにつけるのは1コまで
など、一つ一つ決めていったのです。
私は会議中、「学校に必要のないものは、もってこない。」というきまりだけで、あとは担任個々にまかせたらどうか、と発言しましたが、この意見に賛同した人は誰一人いませんでした。私の発言に対して、
「教師ごとに対応が違うと、子どもたちが○○先生はよいと言ったというのでこまる。」
「一年生のとき、えんぴつは5本、下敷は白で無地のものと指導したのが、学年が上がると崩れてしまうのはこまる。」
というのです。それで、細かに決めました。
職員会議で決まったものですから、ある学年の子どもたちは、持ちものをすべてチェックされました。
今、生徒指導ということで、統一した指導というのが重視されています。このとき、子どもたちの禁止事項がこと細かに決められ、それに対して反対することが受け入れられなくなっています。
統一して指導にあたるということは、とても重視されますが、その指導の内容が、子どもにとって本当に必要なものなのかということは、あまり考慮されません。
えんぴつの本数を決めることは、どのような意味をもつのでしょうか?
職員会議中、
「1時間に1本として5本。」
と発言した人がいました。それは一つの理屈としてはよいかもしれませんが、大事なことは、えんぴつの本数を本人ではなく、なぜ、きまりとして決める必要があるのか?ということだと思うのですが。
きまりとして決めた以上、えんぴつを8本持ってきた子どもは、ルール違反として、責められる可能性がある訳です。えんぴつを8本持ってきたということで責められるのは、妥当なことなのでしょうか?
私は最近、さまざまな感覚が周囲とズレてしまって、私がどうもおかしいと思うことが平気に進められてしまいます。えんぴつの本数を決めるということも私には受け入れられないことなのですが、みなさんはどう思われますか。