パートナー通信 No.91

シリーズ「『第4・5回最終所見』を読み解く」D.市民的権利および自由  清水秀俊

 今回の『最終所見』(「D.市民的権利および自由」)は短い文章ですので、以下に全文を掲載します:

出生登録および国籍

23.本委員会は、持続可能な開発目標ターゲット16.9(※訳注)を想起し、以下のことを締約国に勧告する。
※「16.9 2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。」

  1. (a)国籍法2条3項の適応範囲を拡大し、その親の国籍を取得することができない子どもにも出生により自動的に国籍を与えることを検討すること、不法移民の子どもを含む締約国に居住するすべての子どもが登録され、法律上の無国籍から保護されるようにするため国籍関連法を検討すること。
  2. (b)難民申請をしている子どもなどすべての登録されていない子どもが教育、健康および社会的サービスを受けられるようにするために必要な積極的な措置を取ること。
  3. (c)無国籍の子どもを適切に認定し、保護するために無国籍かどうかを決定する手続きを発展させること。
  4. (d)無国籍者の地位に関する条約および無国籍の削減に関する条約の批准を検討すること。

 次に、上記の『最終所見』に関連する「子どもの権利条約」の条文を掲載します。

第7条(名前・国籍を得る権利):

  1. 1 児童は、出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。
  2. 2 締約国は、特に児童が無国籍となる場合を含めて、国内法及びこの分野における関連する国際文書に基づく自国の義務に従い、1の権利の実現を確保する。

第8条(身元の保全):

  1. 1 締約国は、児童が法律によって認められた国籍、氏名及び家族関係を含むその身元関係事項について不法に干渉されることなく保持する権利を尊重することを約束する。
  2. 2 締約国は、児童がその身元関係事項の一部又は全部を不法に奪われた場合には、その身元関係事項を速やかに回復するため、適当な援助及び保護を与える。

学習会等での感想・意見

  • 前記の『最終所見』(b)については、『最終所見』のI.特別保護措置の所でも言及されているので参照してください。
  • 小学校入学時になってから無国籍の子どもであることが判明するという現状を改める必要がある。
  • 無戸籍の人が出産した場合や出生届を出さない場合にその子どもは無戸籍になってしまう。
  • 民法改正により、女性の再婚禁止期間が廃止され(改正以前は100日間)、再婚後に生まれた子どもは再婚した夫の子どもとすることになった。その結果、出生届を出さないことによる無戸籍の子どもが減ると期待される。
  • 外国籍の子どもの権利について、自治体訪問の際にも取り上げていきたい。

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